今年3月に女優業を休業すると宣言していたサンドラ・ブロックが、このほどハリウッド・レポーター誌のインタビューで「燃え尽きた」とその理由を明かしました。

アカデミー賞主演女優賞を受賞した「しあわせの隠れ場所」(2009年)や「スピード」シリーズ、「あなたは私の婿になる」(09年)、「ゼロ・グラビティ」(13年)、「オーシャンズ8」(18年)など数々のヒット作品に出演し、35年間にわたって第一線で活躍してきたブロックは、「疲れきってしまい、健全で賢い判断ができなくなっている」と告白。現在公開中の「ザ・ロスト・シティ」と、9月1日に公開予定の「ブレット・トレイン」以降のスケジュールは決まっておらず、「今は、子供や家族と24時間毎日一緒にいたい」の言葉通り、養子縁組した2人の子供や恋人との生活を優先しているようです。

サンドラ・ブロック(13年撮影)
サンドラ・ブロック(13年撮影)

長年のキャリアで50本もの映画に出演してきた大物女優の突然の休業宣言に驚きの声も上がっていますが、ハリウッドでは一定期間キャリアから距離を置き、休業するスターは少なくありません。ブロックのように仕事詰めの生活に一区切りしたいと考えるスターもいれば、慈善活動など俳優業以外の活動に専念するために休業するスターもいます。ブロック同様にこれまで休業宣言をしたことのあるスターたちを紹介します。

■ジム・キャリー

「ソニック・ザ・ムービー/ソニックVSナックルズ」のプロモーションを行っていた今年4月に休業を宣言したジム・キャリーは、「もう十分にやった」と述べ引退も示唆。「キャンバスに絵を描いたり、スピリチュアルな生活が大好き」と語り、穏やかな生活を送りたいと心境を明かしています。今後については、「俳優業を続けるかもしれないが、いったん休む」と話し、引退についてもかなり本気で考えていると述べ、このまま引退する可能性もありそうです。

■エマ・ワトソン

「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンは、16年に女優業を1年ほどお休みしています。国連における女性の権利のための機関「UNウィメン」の親善大使を務めるワトソンは、休養はフェミニズムの勉強のためと説明。フェミニズムの読書クラブを始め、自己成長のための時間を過ごしていたと言われています。ワトソンは19年以降も女優としての活動を行っておらず、恋人と過ごす時間を優先しているとも言われていますが、本人は婚約説や休業報道について「お知らせがあれば、私から皆さんにお知らせします」とツイートし、休業については明言していません。

■レオナルド・ディカプリオ

「タイタニック」で大スターとなったレオナルド・ディカプリオも、13年に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」と「華麗なるギャツビー」に立て続けに出演した後、休業を宣言。「2年間で3本の映画に出演したから疲れ果てた」とドイツのメディアに語ったことで、俳優引退のうわさもありましたが、15年には「レヴェナント:蘇えりし者」で復帰して悲願のオスカーを獲得しています。

■ジェニファー・ローレンス

「世界にひとつのプレイブック」(12年)でアカデミー賞主演女優賞に輝いたジェニファー・ローレンスも、長期休暇を取った一人。18年に1年間の休業を宣言したローレンスは、「X-MEN:ダーク・フェニックス」(19年)以降、昨年公開された「ドント・ルック・アップ」の撮影までの期間お休みしていました。活動家として若者の政治参加を啓発する活動に注力したいと理由を説明していましたが、この間に結婚して第一子を授かるなど私生活でも大きな変化がありました。

■キャメロン・ディアス

キャメロン・ディアス(10年撮影)
キャメロン・ディアス(10年撮影)

14年に公開された名作ミュージカルのリメイク「ANNIE/アニー」を最後にハリウッドの第一線から姿を消したキャメロン・ディアスは、今後の復帰について「予定はない」としながらも「絶対にないとは言えない」として引退は否定しています。ディアスは当初、「自分が誰なのか分からなくなった」と語り、自分探しのために休みたいと理由を説明していましたが、その後に出会ったパンクロックバンド、グッド・シャーロットのベンジー・マッデンと恋に落ちて結婚。その後は妻としての生活を優先しており、2020年には娘が誕生したことから現在も家族中心の生活を送っています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)