億万長者のイーロン・マスク氏が、440億ドルでツイッターを買収してから半月以上が経ちましたが、従業員の大量解雇や働く環境を巡る対立から退職者が続出するなど大混乱が続いています。「言論の自由」をかかげるマスク氏の影響で、買収後は差別的ツイートが急増していることもその一つで、こうした事態を受けてツイッター離れも進んでいます。

先日は、米CBSニュースが、「ツイッターを巡る不確実性」を理由にSNSでの活動を一時停止すると発表。大手メディアの使用停止は大きな衝撃となっていますが、ハリウッドでも多くのセレブがマスク氏の買収後にツイッターを去っています。元恋人のアンバー・ハードが無言でアカウントを削除して話題になりましたが、他にも多くのセレブが脱ツイッターを宣言しています。

アンバー・ハード(2015年1月撮影)
アンバー・ハード(2015年1月撮影)

◆ジジ・ハディッド

モデルのジジ・ハディッドは、「新たなリーダーの元で、ツイッターはヘイト(憎悪)と偏見のごみだめのよう」と述べ、アカウントを削除したことをインスタグラムで発表。SNS上の存在によって人権侵害の危機にさらされる人たちを守る人権問題担当チーム全員が解雇されたことを批判し、「ツイッターは自分がいたいと思える場所ではなくなった」と理由を説明しています。

◆ウーピー・ゴールドバーグ

「天使にラブソングを…」シリーズや「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990年)などで知られるウーピー・ゴールドバーグは、マスク氏買収後にツイッターは「めちゃくちゃになっている」と述べ、認証バッジの有料化や一度解雇した従業員を再び呼び戻すなど混乱を極める状況を批判。「ブロックしたり、復活させたりすることにうんざり」と語り、ツイッターをやめると宣言し、アカウントを削除しました。

◆ジョシュ・ギャッド

ディズニー映画「アナと雪の女王」シリーズでオラフの声を演じたジョシュ・ギャッドは、ツイッターの混乱を受けて「留まるかどうか分からない」とツイート。言論の自由は素晴らしいが、害を煽ることを意図したヘイトスピーチは自身がツイッターで求めているものではないとコメント。現在までアカウントは削除していないが、トランプ前大統領のアカウント凍結を解除したマスク氏を「ろくでなしのアナーキスト(無政府主義者)」とこき下ろしています。

◆ミア・ファロー

一度はツイッターをやめる意向を示していたミア・ファローは、今後ツイッターがさらに有害になった時は安全のためにやめるとトーンダウン。その後は心変わりしたようで、「(電気自動車)テスラと(宇宙開発企業)スペースXを私たちに与えてくれた。ありがとう。あなたのこれまでの功績にふさわしいツイッターを維持してくれることを望んでいる」とマスク氏の手腕に期待するようなツイートをしています。

◆ジャミーラ・ジャミル

ドラマ「グッド・プレイス」などで知られる女優ジャミーラ・ジャミルは、今年4月にマスク氏の買収計画が浮上した際にツイッターをやめています。しかしその後、買収が撤回されると再び復帰。現時点では、アカウントは削除されていないものの、状況次第では今後アカウントを削除する可能性もありそうです。

◆サラ・バレリス

シンガーのサラ・バレリスは、「ツイッターは楽しかったのに。私はやめる。他のプラットフォームで会いましょう。ごめんなさい。でもこの場所は私には向いていない」とファンに謝罪し、それ以降は新たな投稿はしていません。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)