オリンピック(五輪)の夏。スクリーンでは元プロレスラーのロック様ことドウェイン・ジョンソンが躍動している。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」同様にディズニーランドのアトラクションから誕生した作品である。

20世紀の初め、イギリスの植物学者リリー(エミリー・ブラント)が「不老不死の花」を求めてアマゾンにやってくる。彼女をジャングルの奥地に案内するのがロック様演じるフランク船長だ。「花」を狙って潜水艦で忍び寄るドイツ帝国の王子や、不死の呪いをかけられてジャングルと一体化した謎の男も登場して争奪戦はすさまじい。

凶暴なジャガーをねじ伏せ、潜水艦も手玉に取る。ロック様の筋肉とユーモラスな動きがそのままはまり、フランク船長はまるでディズニー・アニメのキャラクターのような活躍だ。

ノンストップで畳み掛ける大仕掛けの数々は、どこかで見た光景ではあるが、最後の「花」の登場にはさすがに息をのんだ。

話の成り行きでリリーとフランクの間には恋心が芽生えることになるが、演技派ブラントの難しい顔と、おおらかなロック様の微妙な温度差もこの作品ならではの味わいかも知れない。【相原斎】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)