最高にくだらないと言えば、くだらない。ノリノリの肉体派俳優たちが大マジメにバトルを繰り広げ、恋に落ち、失恋する。アホなギャグの波状攻撃に突っ込みどころは満載だが、腹筋が痛くなるほど笑える。

若杉公徳氏の人気ギャグ漫画を実写映画化。ノストラダムスの大予言を信じ、来るべき世紀末に備え、文明社会から離れ、幼少期から厳しい修行に人生をささげてきた「終末の戦士」の男たち。殺人拳・無戒殺風拳を会得したにもかかわらず、世界が滅亡する気配は一向にない。ある日、師範が突然、「解散」を宣言。一般常識とは無縁な男たちが東京へと流れ着き、戸惑いながら生きていく。

伊藤英明が主人公勝平を演じた。「北斗の拳」のケンシロウよろしく、素肌にデニムのベストと茶色の短パン。特攻服にリーゼントの正義は山本耕史、守の大貫勇輔は金髪のロン毛に裸にサスペンダー。インパクト抜群の英雄は小澤征悦。超個性派のはじけっぷりに潔さすら感じた。

いい意味で、見終わった後、何も残らない。コロナ禍で多くの規制がある中、こういう作品があってもいい。何も考えず、笑ってほしい。【松浦隆司】

(このコラムの更新は毎週日曜日です)