「累計発行部数700万部超。インスパイアされたYOASOBIが20年に『群青』を作った山口つばさ氏の漫画の実写化作品」
あくまで事実だが、この点を含め、この映画には
(1)東京芸術大を目指す高校生ら若者の物語
(2)美術がテーマ
(3)主演の眞栄田郷敦をはじめ若手俳優がメインキャスト
など、ともすれば1つの方向に印象を向けてしまいそうな幾つかのフックがある。「青春キラキラ系映画」といったレッテルを貼られてしまう可能性も少なからずあるだろうし、はなから見ようと思わない人もいるかも知れない。
ただ…それでは、あまりにもったいない。この作品が描いているのは、自分の好きなものに向かって、どこまでも突き進んでいく人間の姿だ。歩みが真っすぐであればあるほど、時には他者とぶつかり、傷つくこともあるが、血の通った向き合いの先で得られるものは、結果のいかん問わず心の中に何かを残す。生身の俳優が演じるからこそ、さらに血肉が通って見える。
9日に都内で行われた初日舞台あいさつで、眞栄田は「1つのことに一生懸命、向き合ってきた人であれば誰にでも刺さるものがある映画」と語った。1つのものに向かって、なりふり構わず突き進み、人と人がぶつかり合う姿は、そうした関係性が壊れていく一方の今の日本に、何かを示すのでは…とまで言っては、果たして大げさだろうか?【村上幸将】
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