ワールドカップ(W杯)カタール大会の1次リーグE組初戦で、日本がドイツから大金星を挙げ、列島が沸いています。全国でも珍しい「足の神様」として知られる大阪府豊中市の服部天神宮にはドイツ戦後、27日の1次リーグ2戦目のコスタリカ戦へ向け、必勝祈願に訪れるサポーターが急増しています。「W杯神社」も沸いています。

同神社の本殿には4年に1度、W杯期間限定の神札(おふだ)がまつられます。ドイツ戦当日の23日朝、日本代表の活躍を祈る必勝祈願祭がひっそりと営まれました。サポーターらが駆けつけ、本殿には公式球、日本代表のユニホームが飾られました。加藤芳哉宮司(63)は「ドイツ戦前まで国内では、日本代表への期待値が低かったようですが、だからこそ気合を入れて祈願しました。信じていました」。祈願祭は、日本が初出場を果たした98年のフランス大会から毎回開催され、今回が7度目です。

加藤宮司によると、天神さんの御利益にあずかったスポーツ選手は多く、男子サッカーのメキシコ五輪得点王釜本邦茂氏は、現役時代からしばしば参拝に訪れていたそうです。

ドイツ戦で同点ゴールを決め、逆転勝ちを演出した日本代表MF堂安律(フライブルク)も20年の正月に参拝し、絵馬を奉納したそうです。まさに足の神様の本領発揮? 兵庫県尼崎市出身の堂安には「地元の関西だからでしょうか、ファンの方も多く、みなさん、W杯2得点目を願っていかれます」と加藤宮司。

同神社の「足の神様」の由来は、平安の昔、「学問の神様」菅原道真が大宰府に流される途中、持病の脚気(かっけ)の回復を、この地にあった医薬の神を祭ったほこらに願をかけたところ、すっかり治ったという言い伝えがあり、境内には健脚を願う絵馬がずらりと並びます。

27日朝、同神社ではコスタリア戦の必勝祈願が行われます。日本が勝ち、同組のスペインがドイツに勝つか引き分ければ日本の2位以内が確定し、2大会連続4度目の16強入りが決まります。「26人の選手がけががなく、ベストコンディションで戦え、前回以上の成績を残せますようにとの思いを込めるつもりです」。加藤宮司が再び「気合」を入れます。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)