今春入団した108期生38人が、4月23日に兵庫・宝塚大劇場で開幕した星組公演「めぐり会いは再び next generation」「Gran Cantante!!」で初舞台を踏んだ。コロナ禍で入学式、卒業式とも遅れ、ともに劇場施設。30日まで予定の初舞台公演も一時中断中だが、首席入団の茉莉那(まりな)ふみは「雑草のような期」と言い、コロナ禍を乗り越えて前へ進む。

初舞台公演の初日口上に臨んだ(前列左から)花海凛、茉莉那ふみ、彩姫みみ(撮影・村上久美子)
初舞台公演の初日口上に臨んだ(前列左から)花海凛、茉莉那ふみ、彩姫みみ(撮影・村上久美子)

「めぐり会い-」の開演前、正装の羽織はかまで舞台上に並び、口上。ショーの終盤には、サフランの花をイメージした衣装で、大階段からラインダンスをスタートした。階段を下りると7つの星を形成し、横1列に並んでロケット。最後は、全員で舞台と客席の間にある銀橋を渡り、5分弱の踊りを披露した。

娘役の茉莉那は「カレンダーに(初日まで)残り何日か記していて、いつかここ(大劇場)に立つんだと、少しずつ実感していました」。108期生の夢舞台への思いは格別だった。

緊急事態宣言下にあった2年前の春に入学。一昨年4月の入学式は戦後初の延期。同6月に大劇場ロビーで入学式に臨んだ。今年3月の卒業式も11日遅れ、宝塚バウホールで開催。入学、卒業とも、宝塚音楽学校ではなく、劇団施設での式典になった。異例ずくめで2年の学びを終えていた。

初日の口上は、茉莉那、彩姫(あやひめ)みみ、花海凛(はなみ・りん)と娘役3人。彩姫は「目の前に広がる光景を見て、舞台に立っているんだとヒシヒシと感じました」。花海は「劇場の広さに吸い込まれそう。でも負けないように」と気を引き締めて臨んだ。

大階段から始まったラインダンスで初舞台に臨んだ108期生(撮影・村上久美子)
大階段から始まったラインダンスで初舞台に臨んだ108期生(撮影・村上久美子)

コロナ禍を乗り越えて立ったあこがれの舞台。茉莉那は5分弱のラインダンスも「体感は10秒ほどでした」と言い、自分たちを「雑草のような期。先生に怒られても、しっかり根をはって、何度も何度もぶつかってきました」。彩姫は「正面から体当たりしてきた」と言い、花海も「まっすぐ」進んできたと語った。

開幕後も一時中断など試練も続くが、くじけることはない。【村上久美子】

◆星組公演 トップ礼真琴主演で、4月23日に宝塚大劇場で開幕したが、同30日から今月15日までの上演中止(千秋楽は今月30日)が決まっている。宝塚公演のみが108期生の初舞台公演で、同東京宝塚劇場公演(6月18日~7月24日)には出演しない。