まだまだ寒い気もするが、桜も散り始めいよいよ4月に突入。4月といえば新しいドラマのスタート。

例年通り、他の期と比べて各局一段と気合が入っている模様。いくつかピックアップしようと思ったところ、なんとその数、約60本…。定番のNHKと民法に加え、地方局にWOWOWにBS、配信系まで合わせるとそれはもうすごい。全部見ると週の3分の1近くを費やすため、厳選して見たいものです。

そこで視聴率トップ争いをしそうなドラマをまずは紹介。月9「元カレの遺言状」(綾瀬はるか、大泉洋)、キムタク主演「未来への10カウント」(木村拓哉、満島ひかり)、日9「マイファミリー」(二宮和也、多部未華子)が堅そう。 他にも「やんごとなき一族」(土屋太鳳、松下洸平)、「インビジブル」(高橋一生、柴咲コウ)、「持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~」(上野樹里、田中圭)、「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」(ディーン・フジオカ、岸井ゆきの)と各事務所のエース級がこれでもかと並ぶ。結果、睡眠時間を削ってでも全部見ようと思います(笑い)。

ドラマの傾向。例年だが今期も漫画や小説原作が多く、数えると半数近くがそれにあたる。そもそも人気なので面白く、さらに原作ファンがいるので実写化したらどうなるの?と興味を持たれ、視聴率が安定するのであろう。映画人の端くれとしては少し寂しい気もするが、トレンドなのでしょうがない。

局別にみると、各局5~7本が多い中、10本を超えるテレビ東京が他を圧倒。特に深夜帯では「勇者ヨシヒコ」や「孤独のグルメ」シリーズを生み出しており、業界注目の的である。また、今期は朝(「リズスタ」)や昼(「よだれもん家族」)とチャレンジな時間帯の作品も見られ、楽しませてくれそう。

内容で言うと定番の恋愛ものやサスペンスに加え、グルメを扱う作品も根強く人気である。深夜帯のグルメ物は飯テロになるのでやめて欲しいものだが(笑い)。あと、一ジャンルとして「あな番」などで注目を浴びた、原作・秋元康が常に何作か紛れ込んでいる。

そしてキャスト情報。今回取り上げたいのは、主演含めて3作品に出演している神尾楓珠(23、ふうじゅ)。まず作品の紹介、NHKで土曜22時に放映される「17才の帝国」で主演、そしてフジテレビで水曜22時「ナンバMG」では間宮祥太朗に次いでのクレジット、さらにWOWOWドラマ「青野くんに触りたいから死にたい」では主役ヒロインに次いで3番目にクレジット。番手もだが、作風もSFからコメディー、学園モノと多種多様、ファンからとってみればさまざまな一面の姿が見られる最高のクールではないかと思う。

さらに今年は主演映画も3本公開されるという。「3年A組-今から皆さんは、人質です-」ではまだあどけない印象もあったが、初主演の「左利きのエレン」では堂々とした演技をしていた。国宝的イケメンとして紹介されることも多いが、クラスの人気者というよりは、少し影のある青年役のほうが合っているのではないかと思う。所属事務所はエーチーム、伊藤英明が抜けた後、看板俳優になる日も近いかもしれない。おすすめするまでもなく、どこかで必ず見かけるはず。

◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて青山でカレー&バーも経営。2月17日からは東京・渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールで演出舞台「政見放送」が上演された。