【制作者の言葉】「気象予報士になる女の子のドラマなので、空気感や天気の様子は大事なところ。森の木漏れ日や、雨や嵐がリアルに感じられるように作りたい」

17日にスタートするNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(主演清原果耶、月~金曜午前8時)の吉永証チーフプロデューサーが、マスコミ向けの第1週試写後にオンライン取材会で語った言葉です。物語の内容は放送で見ていただくとして、実際、天気が軸となるストーリーと映像は心洗われる美しさ。取材者からも「光の使い方が印象的」「4Kで見るとさらにきれいかも」などの声が寄せられました。

宮城・気仙沼に生まれ、内陸の森の町、登米(とめ)で暮らすヒロインが、気象予報士を目指す物語。山の緑、青い空、白い雲など、それだけで絵になる広々とした風景のほか、星空や霧、嵐などさまざまな天気が登場し、ヒロインの心情や物語と折り重なっていきます。

吉永さんは「そこで見える天気が、ヒロインの気持ちとつながるように意識しています。光の使い方へのねらいはかなりある」。森の木漏れ日のやわらかいキラキラ感や、湿気や香りまで伝わってくるような雨上がりの森の様子、複雑な胸の内を物語るような雨など、ヒロインを演じる清原果耶さんのみずみずしさ、透明感とよく合います。

天気が相手のため、「天気待ち」や「撮り直し」の苦労も多くあるそうです。「山は天気が変わりやすいので、なかなか思ったようにいかない。朝日が出て晴れていても、1時間くらいで雲がワーッと広がってきたり、にわか雨がひんぱんにあったり」。やりがいのある苦労はどこか楽しそうで、「ロケは大事にしているので、映像を見た方に何かを感じてもらえればうれしい」と話しています。

素直で明るい気質の一方で、心にある負い目を抱えているヒロイン像も魅力的。見終わった後、空を見上げたくなるような味わいとともに、作品を楽しみたいと思います。

【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)