バレンタインデーに職場の同僚らに渡す「義理チョコ」の専門店「義理チョコショップ」が東京駅地下街にオープンし、通勤客や「話のたねに」とまとめ買いする観光客らでにぎわっている。

 ショップを運営するのは「一目で義理とわかるチョコ」のキャッチフレーズで知られる「ブラックサンダー」を製造販売する「有楽製菓」(東京都小平市)。昨年に続き、バレンタインシーズンだけの限定で開店した。

 1月の平日の夜7時半。会社帰りとおぼしき女性たちが買い物かごを手に、チョコレートの大箱を物色している。「20本入り」「18袋入り」などと小分けにして配れるものが売れ筋のよう。大きな紙袋2袋分を買い込んだ女性は、ショップ限定のイチゴ味「ピンクなブラックサンダー」3箱など計約5000円分を購入した。「会社の同僚男女合わせ20人分くらい。大分の実家や親戚にも送ります」と話す。ブラックサンダーの魅力は「値段が手ごろで小分けになっているのがいい。相手に『お返しを』と気遣わせずにすむのも気楽」という。

 すっかり定着したかにみえる義理チョコ文化について、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんは「義理チョコはもはやお中元やお歳暮と同じ。カジュアルに人間関係をメンテナンスする機会になっているのでは」と話している。

 「義理チョコショップ」は15日まで。