昨年、社会現象を巻き起こしたTBS系ドラマの原作漫画「逃げるは恥だが役に立つ」(逃げ恥)の番外編が、2月25日発売の月刊漫画誌「Kiss」(講談社)4月号に掲載される。原作者の海野つなみさんが、日刊スポーツの取材にメールで応じ、ドラマ版や“逃げ恥ブーム”について思いを語った。

 -16年12月24日発売の「Kiss」2月号で最終回を迎え、連載を終えた感想は?

 正直、無事終わってホッとしています。そう言うと「ドライだ~」と言われるのですが、安心したというのが率直な気持ちです。

 -ドラマの興味深かった部分は

 脚本の野木亜紀子さんが、とてもうまく原作をリミックスされていて、セリフやエピソードの組み換えで話をうまくまとめられていたり、あと、演出で原作の肯定的なセリフが否定的になってたりとか、驚きながらとても面白いなあと思って見ていました。原作を先に読まれていた視聴者の皆さんも、そうだったと思います。

 -キャスティングは、どう感じた?

 新垣結衣さんのかわいさと清潔感、星野源さんのかわいさと童貞感(笑い)他のキャストの皆さんも、微妙に原作とは違うところもありましたが、ドラマとして見ると、とてもマッチしていて素晴らしかったと思います。キャスティングだけでこのドラマは成功だと思いました。

 -星野源さんが歌う「恋」が流れるエンディングで、キャストが踊って社会的ブームとなった「恋ダンス」について

 主題歌って、コース料理の最後のデザートみたいなもので、そのドラマのイメージを大きく左右すると思っています。なので、どんな主題歌になるのかとドキドキしていたのですが、ダンスも含め、多幸感あふれる最高のドラマのエンディングになったと思います。

 -ドラマの最終11話は16年12月20日に放送され、原作は4日後の同24日に最終回と同時終了したことについて

 連載中にドラマが終わるとドラマオリジナルのエンディングになるので、本当は連載終了後にドラマ化されるといいのに、と思っていました。それが、ドラマが延びて連載とほぼ同じに終わることになって、偶然とはいえ「神ってる!」と思いました(笑い)

 -原作にも出てくるが、ドラマにも、いろいろな番組などのパロディが登場した

 同じ局だけじゃなく貪欲に他局もパロって行く姿に、拍手喝采でした。ちょっとした小ネタもCGで再現してくださったり。普段から妄想ばかりしているので、映像化されて、とてもうれしかったです。

 -ドラマが大ヒットした要因は、どこにあると思うか?

 一番はやはり、新垣結衣さんの爆発的な、かわいさだと思います。さらに、星野源さんや石田ゆり子さん、古田新太さんと皆さん、もれなく可愛くて、見ていて嫌な気持ちにならない、幸せな気持ちになるドラマだったのが最初の人気の原因ではないでしょうか。そして、そんなエンターテイメントあふれるドラマなのに実は社会派というところが、じわじわ効いてきたのではないかと思います。

 次回は、2月25日発売の「Kiss」4月号に掲載される、番外編について聞く。【村上幸将】