映画「あの頃、君を追いかけた」(長谷川康夫監督、来年秋公開)に主演する山田裕貴(27)とヒロインを演じる乃木坂46斎藤飛鳥(19)がこのほど台湾ロケに参加し、全編の撮影を終えた。互いに思いを伝えられないまま大人になる男女を描いて台湾で大ヒットした青春映画を、舞台を日本に移して製作するリメーク作品。オリジナルで印象深かったデート場面を再現するため、実際に撮影を行った場所を訪ねてロケを行う異例の試みを実施した。

 撮影は台北市の隣に位置する新北(シンペイ)市で行った。大学生になった2人が久しぶりの再会を果たし、つかの間のデートを楽しむ場面。山田と斎藤は、肌寒く小雨も降る中、早朝から撮影に臨んだ。ランタンを飛ばすお祭り「平渓天燈節」で有名な平渓(ピンシー)の街で食べ歩きデートや願い事を書いた天燈(てんだん)を飛ばす場面などをオリジナルのまま再現。斎藤は「『ここはあのシーンのあそこだ』ってテンションが上がりました」。

 日差しが出てきたところで、1駅隣の菁桐(ジントン)駅に移動し、駅のホームで撮影した。山々に囲まれた橋の上を歩きながら、互いの気持ちを探り合う場面を撮り、クランクアップを迎えた。充実感や達成感もあって2人は涙した。

 映画初挑戦の斎藤は照れ隠しもあったのか「なんだかんだ寂しい」とクールな表情で笑みを浮かべた。単独での活動は「スタッフさんが娘のように接してくださるのが新鮮でした。一定期間、乃木坂から離れて(メンバー以外と)深く関わり合うことはなかったので、終わってしまうのは寂しいです」。

 山田は「(映画の)台湾版を好きになってしまったので、ここで撮影できることはすごくうれしい」といい、「本当のスタートは(観客に)見てもらってからなので、そこまで僕はうずうずしていると思う。1人でも多くの人に見てもらいたい」と話した。【杉山理紗】