兄弟漫才コンビ「ミキ」は弟の亜生(あせい=29)が4時間34分25秒、兄の昴生(こうせい=31)は、弟から約2時間遅れて6時間38分46秒でゴールした。

 「運動嫌い」の兄を不安に思い、弟の亜生は「兄弟そろってリタイアはできへんから、必死でした。15キロぐらいでヒザが痛くなったんですけど、何なんでしょうね。20キロ過ぎたあたりから、急に楽になった。ランナーズハイですかね」。精神的プレッシャーに加え、肉体の限界を超え、ペースが速まったという。

 「トレーナーさんからも『スピードが上がってる』と言われまして」と苦笑い。それもこれも、兄への不安からだった。

 「スタート前、お兄ちゃんはすでに泣きそうで『亜生、俺もう無理や。こんなにいろいろ(サポート)してもらってんのに』って、言ってました」

 弱気の兄とともに、倒れるわけにはいかない-と、懸命に足を出した結果の「ランナーズハイ」だった。

 ハイテンションのまま取材に応じ「いや、今となれば楽しかったですね。マラソンを完走すれば、(今年の)M-1(グランプリ)で優勝できると思って走りましたが、いや、これ、大いに関係ないですね」とも。この日は、マラソン後、兄と漫才の仕事も控えており「これから漫才ですけど、体ばたばた動かさず、ゆっくりしゃべるネタをやります…って、あ! そんなん、ないわっ!」と、1人でノリツッコミを展開した。

 ただし、マラソンの魅力にはまったがどうかを問うと、これには「くせに? なるかな? うーん、それは、ゆっくり考えさせてください」と冷静に答えていた。