1月31日にがん性心膜炎のため、38歳で亡くなった人気ヒップホップグループ「ET-KING」のリーダー、いときん(本名・山田祥正=やまだ・よしまさ)さんの通夜が3日、大阪市阿倍野区の「やすらぎ天空館」で営まれ、ぼんちおさむ(65)オール巨人(66)赤井英和(58)ら1000人以上が駆けつけた。

 約600人収容の式場から人があふれ、隣室もあわせて約1000人が参列。さらに、式場外には、ファン向けの焼香台も用意され、一般ファンも多数駆けつけた。

 この日、通夜式の合間に、センコウ(38)BUCCI(39)KLUTCH(39)DJ BOOBY(36)コシバKEN(37)が取材に応じ、取材後には、式場外で待つファンの前へ5人で歩み「これからも僕たちの歌を歌っていく」と約束した。

 いときんさんは昨夏、ステージ4の肺腺がんを公表し、活動を休止していたが、同12月28日には、ツアー最終日の大阪公演に出演。創作活動への意欲も持ち続け、4月リリースの新アルバム「LIFE」のレコーディングにも参加。最後まで創作活動も続けており、コシバは、昨年末の復帰ライブの“舞台裏”も明かした。

 いときんさんは、アンコールからの登場だったが、当初は「もっと多く歌いたい」と希望したという。それでも、コシバらが体調を考慮して説得。結果、いときんさんが、メンバーの意向を受け取った。

 コシバは「今となっては、もっとたくさんの歌を…とも思いますが、彼が最後、納得したのも『もっと生き続ける』と彼自身が強く思っていたからだと思います」と振り返った。

 その強い意志は、最後まで不変だった。いときんさんは昨秋以降、自宅療養だったが、1月19日に心臓の痛みを訴え、救急搬送。緊急入院したまま回復することがなかった。

 実は、その2日前、1月17日に大阪市内のスタジオで、メンバー6人が会っていた。いときんさんはその際「健康のことや、これからの僕たちのこと、いっぱい話してくれた」そうで、その流れから、いときんさんは「2月からのライブも、様子を見てまた出たい」と強く望んだという。

 最後まで創作活動も続け、ライブ活動再開へも強い意欲を見せていたいときんさん。グループは、14年9月に急死したTENNさん(享年35)に続き、いときんさんも失ったが、その3人でグループを創設したKLUTCHは「ここまで20年一緒に…いときんの気持ちを受け継いで、今も昔もこれからもずっと、(亡き友2人を含めた)7人で作って、7人で歌っていく」と話していた。

 葬儀は4日午前10時30分から「やすらぎ天空館」で行われる。