一般社団法人「放送人の会」は8日、都内で、「放送人グランプリ2024」を発表した。同賞は毎年度の放送番組の中から、「放送人の会」会員が推薦した番組を審査し顕彰するもので、「放送人の放送人による放送人のための賞」に位置付けられている。

◆グランプリ大賞 NHKスペシャル・ETV特集「“冤罪”の深層」シリーズ取材・制作チーム「さすが、NHKのドキュメンタリーというべき作品。地道な取材を通じて、公安の闇に迫った番組チームをたたえるとともに、裁判の推移や被告とされた人たちの動きに合わせ、3つの番組をタイムリーに編成したNHKスペシャル、ETV特集の事務局の仕事も評価」。

◆グランプリ優秀賞

<1>NNNドキュメント'23「いろめがね・部落と差別~」山口放送

<2>「関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言」ニッポン放送

<3>「連続ドラマWフェンス」WOWOW

<4>連続テレビ小説「らんまん」NHK

◆グランプリ特別賞 宮路りか氏(NBCソシア)「宮路さんが制作した『大輝、15の春』『牛と生きる~長崎・鷹島あったか家族』が昨年と今年、NHKワールドで世界に発信された。地方の民放局の作品が選ばれるのは極めて希。『大輝…』はギャラクシー賞などの受賞、『鷹島…』は民教協・日本のチカラでの文部科学大臣賞に評価された」。

◆グランプリ特別功労賞 <1>松尾羊一氏「文化放送で社会教養番組のディレクターとして活躍後、放送評論家として、生活者の視点でテレビ・ラジオを論じた」。

<2>浜村淳「半世紀にわたる朝ワイドのラジオ番組『ありがとう浜村淳です』(MBSラジオ)が今年3月で平日の放送を終了し、土曜朝だけの放送となる。長く関西で親しまれてきた」。

また、第10回大山勝美賞も発表され、家冨未央氏(NHKエンタープライズ第3制作センタードラマ部プロデューサー)松本佳奈氏(フリーディレクター)が受賞した。大山氏は「放送人の会」設立時メンバーで、2代目会長を務めた。同賞は放送のために尽くさした大山氏の名を残し、その意思を継ぐため、ドラマの若いクリエーターを個人で表彰している。