吉永小百合（７２）の１２０本目の出演映画「北の桜守」（滝田洋二郎監督）の初日舞台あいさつが１０日、東京・銀座の丸の内ＴＯＥＩ１で行われた。

　吉永は藍色の着物に桜の帯留めで登壇。「映画は子供のようです。受験生の母親のようで、昨夜は眠れませんでした。１本１本大事にしていきたいです」と、１２０作に出演してなお、新鮮な緊張感を語った。

　年明け４日に都内で行った完成披露試写会を皮切りに、北海道から九州まで、全国でキャンペーンを行い、総移動距離は約８９００キロになった。劇中、堺雅人（４４）が演じた修二郎が、吉永が演じた母てつの元を離れ向かったロサンゼルスと日本との間の距離とほぼ同じ。吉永はそれを聞いて「えー！　本当ですか？」と驚いた。

　先月下旬の北海道キャンペーン直前にインフルエンザに罹患（りかん）したことに触れた吉永は「札幌に行ったら堺さんとお食事できるかなと思っていたらインフルエンザにかかっちゃって、本当に申し訳なかったです」。そのほか新聞、雑誌、テレビなど、約４００媒体の取材を受け、精力的にＰＲしてきた。

　同作は、終戦後、樺太から北海道に、ソ連の攻撃から避難してきた人々がいた事実を元に描かれた物語。時がたっても癒えない苦しみに、吉永は東日本大震災を重ねた。「明日３月１１日で（東日本）大震災から７年です。犠牲になった方々、今なお苦しんでおられる方々もおられると思います」と、被災者をおもんぱかった。

　ほかに篠原涼子、岸部一徳、阿部寛、佐藤浩市らが出席。全国３５１スクリーンで公開。