俳優梅宮辰夫(80)が15日、都内のホテルで、「生誕80歳・芸能生活60年」をダブルで祝福するパーティーを開催した。

 梅宮はこの日午後2時前、リハーサルのために会場入りする際に、ホテル玄関で転倒して顔面の右側を強打。出血がひどく、直後にホテルの車で近くの総合病院に搬送された。

 目の上や頬、鼻などを約30針縫う大ケガを負ったが、骨折はしなかった。パーティーが無事できるのかを心配をする関係者には、病院から電話をかけ「俳優の命の顔を傷つけた。でも、お客さまがいる限り、はってでも行く」と伝えたという。

 パーティーのオープニングでは、顔に大きな白いばんそうこうを張って登場。往年のヒット曲「ダイナマイトロック」を歌唱しながら、心配顔の約300人の観客に「笑っておくれ!オペラ座の怪人だ」。映画の「不良番長」シリーズなどで昭和の映画界を背負ってきたスターだけに、「若い衆を5、6人ぶっ飛ばした後のような顔だ」と笑わせた。

 だが、けがを心配するクラウディア夫人からは「何をやったの。帰りなさい」と注意を受けたことを明かした。

 美川憲一、錦野旦と川上大輔が歌唱で会場を盛り上げた後でライブを行った梅宮は、鶴田浩二さん(享年62)の三女で女優鶴田さやか(57)とのデュエット曲「少し遠くて少し近くて」などを歌唱した。

 この日、多くのタレント仲間や芸能関係者が、昭和が生んだ映画スター・梅宮にとって人生初の「ディナー&トークショー」を見守った。「昭和の時代の俳優としてプライドだけは捨てないよ。『早く死ねばいい』と言われるくらい、目障りになりたい」と、60年を迎えた俳優という仕事を続けることに静かな闘志を燃やしていた。