【カンヌ(フランス)17日(日本時間同日)=小林千穂】第71回カンヌ映画祭の監督週間部門で上映されたアニメーション「未来のミライ」(7月20日公開)の主演声優上白石萌歌(18)、細田守監督(50)が、日刊スポーツのインタビューに応じた。初カンヌ、映画への思いや決意などを語った。

 上白石は主人公の4歳の男の子くんちゃんを演じた。役作りの根底には行動力があった。「役の心情を知っておきたい」と、友人のつてをたどり保育園で子供と触れ合った。感じたことは作品に十分に生かされた。上白石は「4歳の男の子は、私が予想した以上にしっかり話せる。無理して幼く演じる必要はないと分かって、気持ちがほぐれました」と振り返った。

 ひとつ自信になった。「お芝居をすることで、自分の可能性、色が増えていく。くんちゃんにもらった色もあります。どんどん色を増やして、自分が目指す表現者になりたい」。

 11年に東宝シンデレラのグランプリになって以降、映像、舞台、歌で活躍し順風満帆に見えるが「悔しい思いもたくさんしてきた」と言う。上白石は「今あるのはこれまでの積み重ねがあってこそ。何も無駄じゃなかった。また来られるよう頑張りたい」と、カンヌ再訪を誓った。