俳優山崎努(81)が19日、都内で、公開初日を迎えた主演映画「モリのいる場所」(沖田修一監督)の舞台あいさつを、共演の樹木希林、池谷のぶえと行った。74年の東京を舞台に、いろんな生き物が住む自宅の庭をながめることを日課にする結婚生活52年の夫と妻の絆を描く。

 山崎は完成した作品を見て「いつも自分の作品は冷静に見られないですが、ホッとしたような気持ちです」と満足げに語った。また、妻を演じた樹木との共演に「僕は暑さ負けしてぐったりしていると、樹木さんが励ましてくれました。僕の方が先輩ですが、立場が逆転して、現場でリードしてもらいました」と観客を笑わせた。

 樹木は「20歳の孫が見て『今まで見たことのない映画』と言ってましたので期待してください」。さらに「後に残る映画の1本になると思います」とPRした。山崎との共演には「至福の時間でした」と喜んだ。

 池谷は「夫婦にシーンがたくさんあって、すてきで、結婚したくなります」と笑顔を見せた。

 一方、司会者からは山崎と樹木の2人に、夫婦を長く続けるコツを問う場面も。樹木は「それを話す資格は私には全くない。ただ、作品を通じて分かったのは夫の言葉を否定しない。はい、はい、とまずは言ってみる。それを学びました。もう遅いですけど」と語った。山崎も「イエスで会話に入ることだと思います」と語った。