宝塚音楽学校105期、106期生80人が27日、兵庫・宝塚大劇場ゲート前で、小児がんケアへの支援を呼びかける「すみれ募金」を行い、例年以上の約3000人が募金活動に協力した。

 生徒は数人ずつ、複数箇所に分かれて、募金箱を手に協力呼びかけた。今年2年目になる本科生の105期生には、スポーツキャスターでタレント松岡修造の長女、松岡恵さんもおり、ひときわ大勢が集まった。

 1年目の予科生は目立つ着物は控える習いがあり、恵さんら本科生は、思い思いの和装で参加。濃色地に白ゆりをあしらった着物姿の恵さんは、ファンから求められると写真撮影にも応じるなど、堂々とした振る舞いだった。

 例年、募金活動の途中、写真撮影や握手を求めるファンも多く、今年も同様だった。特に、恵さんの周辺には多く人が集まり、大混雑となった。警備スタッフは「下がってください」と連呼。それでも押し寄せる人に、警備員は「皆さん、お願いします。下がるという意味分かっていますか」と、諭すように、懇願するように協力を呼びかけた。

 その後も、恵さんの周辺には人があふれ続け、途中から、恵さんだけ1人が離れ、募金の“ソロ活動”になった。この様子を見守っていた元テレビ東京アナウンサーの母恵美子さん(51)は「ありがたいですね」。2年目の本科生になって、初めてファンと触れ合う場に立った娘に「たくましくなったとは思います。本科生の自覚も出てきたんじゃないでしょうか」と話した。

 同募金は、音楽学校にとって毎年5月の恒例行事。今年春に入学した1年目の予科生、2年目の本科生全員が参加する。恵さんら、本科生にとっては、後輩を迎えてから初めての課外活動になる。

 この日の活動後、成績上位4人が取材に応じ、現在首席の霜下紗麗(しもした・さら)さんは「本科生になって初めて皆さまの前に立たせていただくので、きちんと礼儀正しくしなければと思い、少し緊張しました」と話していた。

 同募金は、小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子供や家族の支援に役立てようと、「公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金」に寄付される。