熱烈な阪神ファンの俳優佐藤隆太(38)が1日、大阪市内で、出演舞台「アンナ・クリスティ」(8月3~5日、シアター・ドラマシティ)の取材会を開き、連続試合出場記録が1939試合でストップした鳥谷敬選手について「寂しかった」と語った。

 東京出身ながら虎党の佐藤は、取材で対談し、人間性にも魅了されてから「もともと、トリさんファンだった」と言い、5月29日のソフトバンク戦で連続出場の記録が途絶えたことを、ニュースで知り、ショックを受けたそうだ。

 その後、携帯電話画像などで、ニュース映像などを繰り返し見た。「ベンチから試合をながめるトリさんを見て、保存しとこうと思って、スクショ(スクリーン・ショット=画像保存)しました」と、明かした。 交流戦に入っても苦しい戦いが続くタイガースには「ちょっと調子悪いですね。(金本監督の)新体制になって(優勝へ)いいタイミングかと思ってましたけど、良くなったり、悪くなったり、行ったり来たりですね。抜けきれないです」と、残念そうに話す。

 好不調、とらえどころのない猛虎の戦いぶりには苦笑した佐藤だったが、舞台については「この公演が終わったら(役者として)半歩でも1歩でも、前へ進んでいたい」ときっぱり言い切った。

 今作は、ノーベル文学賞受賞作家ユージン・オニールが1921年に発表し、ピュリツァー賞を受賞した傑作戯曲。30年に米映画として公開され、舞台は2011年にロンドンで上演された。

 石炭船の船長のもとへ、5歳で別れた娘アンナが戻り、親子で暮らすうち、アンナは、助けた漂流船に乗っていたマットと恋に落ちる。佐藤がマットを、アンナは篠原涼子が演じる。

 佐藤は当初、船乗りの設定に「言葉づかいも荒々しいしい、ザ・男-みたいで、僕は、めめしくて小心者なところがあるから(役柄に)不安だった」そうだが、アンナの過去を知り、心が揺れ動く展開を知り「マットも意外と繊細なんだな」と安心したと語った。

 独身時代は、交際女性の「過去」が気になったり、街中でファンに声をかけられ、撮影を頼まれたが「考え事をしていたので断ってしまった」エピソードも披露。断ってすぐ「大丈夫だったかな」と不安になり、懸命にその人物を捜し、一緒に撮影したという。

 「そういう気にしい、めめしいところはあるんですよね」と照れながらも、役柄への共感を話していた。