三代目J Soul Brothers岩田剛典(28)が9日、東京・新宿ピカデリーで行われた、河瀬直美監督の映画「Vision(ビジョン)」公開記念舞台あいさつで、フランスを代表する世界的な女優のジュリエット・ビノシュ(54)から「日本の息子」と呼ばれた。

 岩田は劇中で、ビノシュ演じるフランス人エッセイスト・ジャンヌが奈良・吉野を訪れて出会う、山に住む謎の青年・鈴を演じた。岩田は、撮影現場の奈良で生活しながら行った撮影を振り返り「台本を読んで英語のせりふがあった時、どうしようと思った。アドリブでも返せるように努力した。包み込むような母性に助けていただき、目と目が合っただけで伝わるものがある。演者同士にしか分からないものかも知れませんけれど(映画では)それが切り取られる。微妙な表情が伝わればいいなと思う」とビノシュに感謝した。

 ビノシュは岩田と初めて会った印象を聞かれると「何か、この人知っている…また、会えたなという気持ちが最初からした」と語った。そして「私は、日本に息子がいるなんて思ってもみなかったけれど…何か日本に息子がいるような気になった」と岩田を見てほほ笑んだ。岩田も「僕もフランスのお母さんだと思っています」と笑った。

 河瀬監督は「ガンチ(岩田)、ポトフ食べるシーンで泣いたんですね。あの涙は自然と出てきたんですね」と、岩田が台本にはなかった涙を流したことを明かした。岩田は「特に決まり事がなくて、シーン丸ごと日常を切り取る撮影をしていた。自然と鈴の気持ちになって出た感情」と振り返った。ビノシュは「あなたの深い涙を、もっと深いところで知っていましたよ」と岩田の涙について思うところを語った。

 すると、河瀬監督は「今、ドラマを見ている人は、全く違う岩田君を見られるので、全国でドラマを見ている人はぜひ足を運んでほしい」と、岩田が主演する日本テレビ系ドラマ「崖っぷちホテル!」(日曜午後10時半)の視聴者に呼び掛けた。岩田も「同じく、そう思います」と言い、苦笑した。【村上幸将】