落語家の桂歌丸さんが81歳で亡くなったことを受け、2日、6代桂文枝(74)から上方落語協会の新会長職を継いだばかりの笑福亭仁智(65)は、東西交流の活性化へ力を借りようとしていたところだといい「残念でなりません」と、無念の思いをにじませた。

 仁智はこの日、所属事務所を通じて「東西交流を盛んにするため、お願いに(歌丸さんのもとへ)あがろうと思っていた矢先のことで、ただただ驚いております」とコメント。歌丸さんについて、江戸落語を「今日の隆盛に導かれた大功労者」とし、酸素吸入器を着けつつも高座に上がり続けた歌丸さんを「お元気に復帰されると思っておりましたので、残念でなりません」としのんだ。

 仁智は今年5月末、新会長に就き、東西落語界の交流を深めることで、さらなる落語界の発展を企画。歌丸さんの協力をあおごうとしていたところだった。

 協会では副会長職にあり、今春、所属事務所「米朝事務所」の社長に就いた桂米団治(59)は、父の故桂米朝さんを通じて、歌丸さんとは古くからの知り合いで「誰に対しても物腰が柔らかく、本当に優しい師匠でいらっしゃいました」。その一方で、芸事には厳しく「でも、高座に対する厳しさは人一倍でした。つねにお客さまのことを、一番に考えてこられた師匠のお姿、大いに学ばせていただきました」と、敬慕する大先輩へ、感謝の言葉を続けた。