テレビ東京の音楽特番「テレ東音楽祭2018」が6月27日に放送された。

 今年で5回目を数え、放送時間は過去最長の5時間だった。視聴率も過去最高の8・8%を記録し、年々盛り上がりを増している。同局の小孫茂社長も、放送後の定例社長会見で「大変楽しんでいただけたのでは」と自信を見せた。

 音楽番組としては、かなり変わっていた。司会の国分太一(43)は猛スピードの水上バイクに乗って登場し、冒頭からびしょぬれだった。AKB48は掻い掘り後の池で「恋するフォーチュンクッキー」を披露したが、泥に足を取られて全く踊れていなかった。変なところに力を注いでいる感じがテレビ東京らしいな、と思って見ていた。

 定例会見に出席した編成・制作局井上康取締役によると、テレ東音楽祭は「音楽班とバラエティーチームが一体になって作っている」といい、「『池の水』が音楽班に協力して、掻い掘り後の池で)『フォーチュンクッキー』を歌う発想が出た。それがテレ東音楽祭の個性になっている」と語った。音楽番組らしからぬバラエティー的発想は、協力体制から生まれたものだという。「局員が楽しみながら作っているのが、良い結果につながっている」とも話した。

 振り返れば、進行役の鷲見玲奈アナウンサー(28)は、アーティストの歌唱中どの出演者よりも体を左右に揺らしていた。「お祭り番組と思ってやることが、熱となって出たのだと思う。我々が楽しんで作っている」と話す井上取締役は熱かった。

 放送当日が荒天だったこともお祭り感を増したと思っている。尋常でない突風が吹きすさぶ中、スタンドマイクや楽器を抑えられながらパフォーマンスする人たちを見るのは非日常感があった。よく決行できたな、という思いも含め個人的には一番印象に残っている。

 来年はどんな演出が飛び出すのか期待するとともに、天気が荒れないことを願っている。