今月4日に心不全で、78歳で亡くなったことが分かった俳優津川雅彦(つがわ・まさひこ)さん(本名・加藤雅彦=かとう・まさひこ)を惜しむ声が8日、芸能界から数多く上がった。映画は150作以上、ドラマも300作近い作品に出演した名優が亡くなり、喪失感が広がっている。

 津川さんをテレビ朝日系「必殺」シリーズで悪役に起用して新境地を開かせた、テレビ演出家で「A-Proオフィス」代表の松本明氏(84)は8日、日刊スポーツの取材に「4月に雪路さんが亡くなった時、電話で話したのが最後になった。『大変だったな』って言ったら、『いや、大変じゃないよ』と言っていた。覚悟していたんでしょう。その時に(2年後の)『東京オリンピックを生で見なきゃダメ』と2人で約束していた。それが訃報を聞くことになるなんて」と声を落とした。

 50年以上のつき合いの親友で、大阪と東京で互いの家に泊まり合った。「『役者はなんでもやらなきゃだめだよ』とたきつけて、女性をセッティングしたり、悪いことを教えた。そういうことを全部、役者として身につけてくれた。役者として、まだ期待するものがあった。ちょっと早すぎた」と振り返った。