浅野ゆう子(58)が4日、大阪市内で、舞台「魔界転生」(12月9~14日、梅田芸術劇場)の取材会を行い、淀殿役に「かわいい人でもあるけど、それが私にはない。でも、今回は魔界から来た人間ではないので、少しデフォルメしても許されるかな」と役作りへの思いを語った。

取材場所は、梅田芸術劇場階下のシアター・ドラマシティのロビー。台風21号接近直前で、大阪駅周辺は店舗もほぼ閉店しており、浅野は「皆さんも帰りが心配ですね。もう、電車も止まってしまうらしい…」と言い“おわび”からスタートした。

事前にスケジュールは組まれ、変更もままならない状況での開催。浅野自身はすでに前日までに関西入りしており、取材に備えていた。関西出身らしく、サービス精神旺盛な浅野は、報道陣への気づかいも忘れなかった。

今作は映画、舞台などでたびたび取り上げられてきた作品。演出は堤幸彦氏、脚本をマキノノゾミ氏が務め、歴史上の人物が次々によみがえり、現世での怨念を晴らすべく悪鬼となった天草四郎らが、徳川幕府と対決するアクションだ。

浅野はオリジナルキャストの淀殿を演じて出演。かつて舞台「真田十勇士」でも淀殿役を経験しており「皆さん、どう(淀殿が)入るのかと思われているかもしれませんが、私だけが(イメージが)つながっております」と自信を見せた。

衝撃的で難易度が高いという登場場面や「妖怪としてある方を倒すんですけども、その倒し方が特異で…。私ならできると(マキノ氏が)あてがきしてくださったようです」と説明。まりをつきながら歌う場面もあるそうで、人を驚かせるのが好きな自身にぴったりの役を得たようだ。

今公演主演の上川隆也とは以前、「功名が辻」でも共演しており、気心は知れている。ただ、「功名-」で寧々(ねね)を演じた際、寧々がまつられる京都・高台寺には「仕事が終わってから行ってしまった」そうで、今回もまだ淀殿の墓がある大阪・太融寺には行けていない。「今回は始まる前に-と思っていたら、台風で…。でも、行きたいですね」と話していた。

舞台は10月6日に福岡・博多座(同28日まで)からスタート。東京・明治座(11月3~27日)を経て、12月9日に梅田芸術劇場公演が開幕する。