酒気帯びでひき逃げしたとして、警視庁に道交法違反容疑などで逮捕された「モーニング娘。」の元メンバーのタレント吉沢ひとみ容疑者(33)から、基準値0・15ミリグラムの約4倍のアルコールが検出されていたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。

警視庁は同日、吉沢容疑者を送検した。

捜査関係者によると、自ら110番して現場に戻った吉沢容疑者から酒の臭いがすることに警察官が気付いて呼気検査を実施。基準値を大幅に上回るアルコールが検出された。警視庁中野署が飲酒の経緯を詳しく調べている。

道路交通法では、酒気帯び運転の基準値となる呼気中アルコール濃度は1リットル中に0・15ミリグラム。個人差はあるが、飲酒量の目安として、日本酒だと100ミリリットルで達するとされる。検出されたのはこの4倍だった。

エイベックスクリニック文森健秀院長(45)は「お酒には強い・弱いがあるので、基準値の4倍というだけで医学的な判断能力の判定は難しい」としながら、「飲んだ量に比例して動体視力が落ちていくことが知られています。ほろ酔い状態(酒気帯び・基準値程度)でも、事故の確率が2倍になると言われているので、基準値の4倍なら確率は比例して上がると考えられます」と話す。

吉沢容疑者を乗せた銀色の車両は午前8時40分ごろ、留置先の原宿署を出発。車内ではうつむき、うなだれた様子だった。捜査関係者によると「お酒が体に入っていた。ぶつかって、立ち去ったことは間違いない」と供述し、容疑を認めている。

吉沢容疑者は6日午前7時ごろ、中野区の交差点で、乗用車を酒気帯び状態で運転。赤信号を無視して自転車の女性をはねるなどし、2人に軽傷を負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ、酒気帯び運転)の疑いで6日に逮捕された。

吉沢容疑者は現場を離れた約15分後に110番。「周囲に車が多く、停止できなかった」などと説明している。