ジャーナリスト池上彰氏(68)とタレント井上咲楽(19)が23日、都内で、マイケル・ムーア監督の映画最新作「華氏119」(11月2日公開)の公開直前イベントに出席した。

米トランプ大統領を「主演」と表現し、トランプ政権にムーア監督が独特の切り口で迫ったドキュメンタリー作品。池上氏は「中間選挙まであと2週間。米国でどんな動きが起きているのか、トランプ大統領がどんな行動に出ようとしているのか、生き生きと描いたなと思う」と感想を語った。

池上氏は今作の字幕監修も担当している。「最近は映画のお仕事が多いですね(笑い)。FOXニュースなどは『ニュースアラート(ニュース警報)』とか、表現が大げさになっているので、『ニュース速報でいいのでは』と言いました。政治が分からない人のために、調味料を付けた感じでした」と振り返った。

一方の井上は、自民党額賀派の分裂を機に日本の政治に興味を持ったという。「アメリカの政治はよく分からなかったけど、ちょっと中間選挙が楽しみになりました」と目を輝かせ、池上氏に質問をぶつけまくっていた。

ムーア監督はアポなしの突撃取材が持ち味。NHKの記者時代について聞かれた池上氏は「アポを取って取材するのが礼儀ですけど、社会部の記者だったから、悪徳商法を取材するときはアポなしでマイクを突きつけて、『聞かせて下さい』と言って(取材場所に)連れて行ったりしてました」と、物腰柔らかい姿勢からは想像もつかない取材方法を明かした。

政治家にインタビューをすることがあるという井上に、池上氏は「思いも寄らない質問を投げかけるといいと思います」とアドバイスした。さらに「ぶっ飛んだ質問をしすぎると、バカにしてあしらわれてしまう。だから、鋭い質問がいいですね」と付け加えた。

池上は「こういう若い子がいるということは、まだまだ日本も大丈夫」と、井上の政治熱に感心した様子。井上は、「明日から国会が始まるので、見に行こうと思う。軽減税率に興味があるんです。憲法改正にも興味があって、憲法審査会が開かれるのかなとか」と熱く語っていた。