歌手ASKA(60)が5日、東京国際フォーラムAで、13年3月のソロ公演以来、5年8カ月ぶりとなるコンサートを行った。

オーケストラをバックにして、「はじまりはいつも雨」などのソロ曲、CHAGE and ASKAのヒット曲「SAY YES」「PRIDE」など17曲を披露。スタンドマイクを両手で握って歌唱する独特のスタイルは昔と変わらないまま。伸びやかな歌声も健在で、約5000人のファンを一気に“ASKAワールド”に引き入れた。

第一声が「おまたせ~」。客席から「お帰り~」の声が飛ぶと「その通り」と応じて「同じ空間で、最高の出口を一緒にタッチできたら。お付き合いください」とあいさつをしてステージを盛り上げた。

2014年に覚せい剤取締法違反(使用、所持)などの罪で懲役3年執行猶予4年の有罪判決が確定。その後は、音楽仲間のライブに飛び入り参加をしたり、ミュージックビデオ撮影でファンの前で歌唱したことはあるが、コンサートは初めて。事件直後には引退も考えた時期もあったが、音楽仲間の助けなどもあって再起を誓ったという。

9月末に執行猶予が開け、10月から本格的な音楽活動を再開した。

ツアーは東京公演を皮切りに、大阪、仙台、兵庫・西宮、京都、札幌、横浜、福岡、静岡で計11公演を実施。10月にはファンとASKA自身が選曲した2種類のベストアルバムを発売し、来年2月からは歌手デビュー40年を記念したバンドツアーを行うことも決定している。今後はまさに、音楽一色のロードが待っている。

薬物につまずき、1度は音楽を捨てる決意をしたASKAがこの日、新たな歌手人生のスタートを切った。