韓国の男性7人組ヒップホップグループ「BTS(防弾少年団)」が13日、東京ドームで初のドームツアー初日公演を行い、“原爆Tシャツ”を着用したジミン(23)がファンに向けて騒動について語った。

約3時間に及んだライブの最終盤。「このような状況になってアーミー(ファンの総称)の皆さんだけでなく、全世界の多くの皆さんが驚かれ、ご心配されたと思います。僕たちは、これからも会える機会がたくさんあると信じています」。ファンの声で声がかき消されたが、騒動について初めて触れた。

一方で韓国の所属事務所ビッグヒットエンタテインメントは同日夜、韓国版のホームページを通じて、原爆をイメージしたTシャツを着用したことについて謝罪を表明した。「原爆被害者の方々を傷つける意図で作られたTシャツではありませんでした」とした上で「当社が事前に十分な確認をしないまま、アーティストがTシャツを着たことで原爆被害者に不快に思わせたことを心からおわび申し上げます」と表明。日本と韓国の被爆者団体関係者に接触し謝罪を伝える手続き中だと明らかにした。

事務所側はナチスのマークを連想させる帽子をリーダーのRMが着用した点についても言及。雑誌のグラビアの撮影の際に、ファッションとして渡されたものだったと説明。事務所側が確認しないまま着用した経緯を謝罪し「ナチスを含む全ての全体主義に反対し、こうした団体による被害者を傷つける意図も全くありません」とつづった。

BTSは原爆投下時の画像がプリントされたTシャツの着用をめぐって今月9日放送のテレビ朝日系音楽番組「ミュージックステーション」の出演が取りやめとなった。11日には、米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、ナチス親衛隊の記章をあしらった帽子をメンバーがかぶり、コンサートでナチスを想起させる旗を掲げたとして非難。BTSの所属事務所はユダヤ系団体にも謝罪の書簡を送ったことを明らかにした。

ツアーは14日も同所で行い、今月21、23、24日は大阪、来年1月に名古屋、同2月に福岡の4都市で9公演を実施。約38万人を動員する予定だ。