来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の主な出演者が8日、都内で発表された。落合将制作統括は、発表会見後、主な出演者の起用理由を説明した。

岡村隆史(48)は、主人公の明智光秀が美濃で出会う神出鬼没の農民の菊丸を演じる。同作のオリジナルの登場人物で、常に光秀の危機を救う役。落合氏は「『チコちゃんに叱られる!』で人気ですが、キャスティングとは関係ない。脚本家の池端俊策氏と作る中、謎めいた人物だがコミカルな役が必要になった。菊丸は後半もずっと出てくる。コミカルで軽妙な芝居ができ、体の動きも運動神経が抜群。岡村さんが菊丸の役に一番はまる」と説明した。役の詳細はまだ言えないとした。現時点ではユーモラスな農民とした。

濃姫(斎藤道三の娘帰蝶)を演じる沢尻エリカ(32)には「役は気高くて気が強いキャラクター。意志が強く、かつとても美しい役。相手の信長は染谷将太さんなのである程度の若さも必要。美しい沢尻さんにお願いした」。

織田信長を演じる染谷将太(26)については「新しい形の光秀とか道三、信長を描くのが目標。染谷さんはいろんな役を出演作によって違う存在になって登場する。それほどの演技力を持つ俳優。染谷さんの育てる信長がテイストに合っている。15歳の設定から登場する。だれも何とも思わない人物から、日本の覇者に育つ過程を多角的に描きたいから」と説明した。

斎藤道三を本木雅弘(53)が演じる。「今までの道三はタコ入道というイメージで、1人でのし上がっていたとされたが(最近の研究では)間違っていて、父子2代でやったことが1人でやったことになっていたりした。今回は従来とは違う発想で選ぶ必要があった。精悍(せいかん)かつ悪辣(あくらつ)な部分を同時に出せる人として起用した」。

石川さゆり(61)は光秀の母明智牧を演じる。「『功名が辻』での演技を見た。とても声が透き通っていていい。気品も役に合致する。唯一無二の声の気品とたたずまいの柔らかさ」と語った。