力道山やジャイアント馬場のライバルとして知られる伝説の覆面プロレスラー、ザ・デストロイヤーさん(本名リチャード・ベイヤー)が7日(日本時間8日)、米ニューヨーク州北部バファロー郊外の自宅で死去した。88歳だった。

日本の芸能界でもザ・デストロイヤーさんの訃報を惜しむ声が広がった。70年代には日本テレビ系バラエティー「金曜10時!うわさのチャンネル!!」でタレントとしても人気に。同番組で共演した歌手和田アキ子(68)は8日、ファクスでコメントを発表し「悪役レスラーだったのに、そのキュートなキャラクターでお茶の間の人気者になり、一時代を築いたことは本当にすごいと思います」と悼んだ。

◆「金曜10時!うわさのチャンネル!!」 1973年(昭48)10月にスタートし79年6月まで続いた。和田アキ子をメインにせんだみつお、あのねのねらがドタバタのコントなどを繰り広げる、型破りなバラエティー番組だった。

番組スタート時の視聴率は4・7%と苦戦。しかし、和田とデストロイヤーさんらが大暴れした看板コーナー「アコのゴッド姉ちゃん」が人気に火を付けた。ボケ役のデストロイヤーさんら共演者がヘビなどのおもちゃを和田に投げつけるなどいたずらを仕掛けると、キレた和田が反撃。デストロイヤーさんをハリセンでたたいたり、蹴りを入れるなどはちゃめちゃな内容でお茶の間をくぎ付けにした。開始1カ月で22%を記録する人気番組に引き上げ、全盛期は30%超えという怪物的数字を続けた。

ほかに山城新伍さんふんする三日月刑事が、せんだ演じる謎の容疑者とからむコント「三日月刑事・暁にほえろ」。タモリが4カ国語マージャン、タモリ教授、イグアナのものまねなどを披露する「タモリのなんでも講座」も人気コーナーだった。当時日本テレビの人気アナウンサーだった徳光和夫(77)も出演。デストロイヤーさんに4の字固めをかけられ絶叫するなど、盛り上げた。