俳優斎藤工(37)主演映画「麻雀放浪記2020」(4月5日公開)のメガホンをとった白石和弥監督(44)が20日、都内で、完成報告イベントに出席した。

同作は、麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕された電気グルーヴのメンバーで俳優のピエール瀧容疑者(51)が出演していることから、公開が不安視されていた。だが同日朝、配給する東映はノーカットで公開することを発表した。

同発表にも出席した白石監督は「午前中に発表したあの決断が、こうして立っている今も、本当に正しかったのかはまだ分からない状況です。でも、なんとか関わったみんなの思いを受け取ってほしくて、批判もあるかと思いますが、そういう決断になりました」と英断の理由を説明した。

同作については「和田誠監督の作品を好きな方には怒られる作品かと思いますが、今まで見たことのない映画にはなっています」と説明した。「いろいろこんなことになってしまいましたが、基本はみなさんに楽しいでほしいという思いで作った作品なので、映画自体をみなさんに楽しんでいただけるようになれることを祈りたいと思います」と願うように話した。

瀧容疑者は、13年公開の映画「凶悪」で起用した。リリー・フランキー(55)とのコンビはそれ以降、白石作品にとって欠かせない存在にもなっていた。同イベントでは“瀧容疑者”と呼ぶように言われていたことを明かしたが、そう告げた直後“瀧さん”と呼んでいた。

「瀧さんが、こういうことを起こすとは思っていなかった。最近の報道で20代から(使用していた)と聞きましたが、結構長い時間を過ごした作品もありました。その中で気付けなかったのは、僕の不徳の致すところです」と自らを責めた。

「瀧さんが起こしたことを許すわけにはいかない」とした上で、「ただ作品に罪はないことを宣言したい。それはこの映画だけでなく、日本のエンターテインメントのためにもなると。過去の作品を何も考えずに封印するとかは違うのではないかなと。それが本当に正しいのかはわかりませんが、きっといつか間違っていなかったと思ってもらえるようになれば」と思いを語った。

また「今まで映画の中で禁止薬物をするシーンを多く撮ってきたので、これからはそういうことはよくないという啓発運動にも、作品とは別に個人的に取り組んでいきたいと思います」と話した。