演出家で俳優の松尾スズキ(56)が27日、大阪市内で舞台「命、ギガ長ス」の取材会に出席した。大阪公演は、7月27~29日に読売テレビ新社屋内の10hallで上演される。

人気劇団「大人計画」を主宰し、昨年芸能生活30周年を迎えた。今回は、初の個人プロデュース劇団「東京成人演劇部」の第1弾公演になる。松尾は「公演の規模も大きくなって、責任を負うプレッシャーや苦しみもあって。解放されたところでやってみたい」と言い、新劇団を発足した経緯を説明した。

「大学の演劇研究会でワクワクしていた感じ、あの喜びをもう1度じゃないですけど、シンプルな2人でやってみようと」も考えたという。

女優の安藤玉恵(42)を迎えての2人芝居。認知症の母親、アルコール依存症の中年息子との生活や、2人をドキュメンタリーで撮影する女子大学生と指導する教授を描く。

出演中のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で演じる落語家・橘家圓喬役からもインスピレーションを得た。

「落語って究極の舞台表現。BGMもなく、扇子と手ぬぐいだけで表現して、自由でかっこいい。取り入れてみたいなと思っています」と今後の作品にも生かしていくと明かした。

大阪公演は、今年9月に完成予定の読売テレビ新社屋内10hallのオープニングシリーズとして開催。今作は東京、富山、北九州、宮城、札幌とあわせて、全国6カ所で上演される。【鈴木絢子】