東啓介(23)が東京・DDD青山クロスシアターで上演中のミュージカル「Color of Life」(27日まで)に出演している。

青野紗穂(21)とのダブル主演で、米ニューヨークを舞台に、大震災をきっかけに画題を見失った画家の和也と、愛した同性の恋人と死別した女優ビーティとの交流を描く2人芝居。

東は3月に舞台となるニューヨークを初めて訪れた。「作品に出てくる場所に行ったり、メトロポリタン美術館で絵を見て、役へのイメージを膨らませた。この舞台の見どころは、出会いの奇跡と自分探しの話だと思っているので、見終わった後に誰かと出会いたいと思っていただけるような作品になっているところだと思います。今まで避けてきたものと向き合ってみようとか、何か前向きな気持ちになって劇場を後にしていただけると感じます。何かに悩んでいる人にも見てほしい作品です」。

同作は、演出家石丸さち子氏と音楽家伊藤靖浩氏がタッグを組み、ニューヨークのオフ・オフ・ブロードウェーの演劇祭で招へい上演された。最優秀ミュージカル作品賞などを受賞し、16年に日本初演された。出演が決まってプレッシャーを感じたという東は「役に取り組む上で心掛けたことは、何もしない、というか、ニュートラルでいることでしょうか。『演じよう』としてしまうと、日常感がなくなったりするので難しかった。この芝居は時間のジャンプがあるので、時に冷静に、時に情熱的に、その時々で切り替えます」。

東は舞台「刀剣乱舞」シリーズや「マタ・ハリ」「スカーレット・ピンパーネル」など出演してきた。「ミュージカルの魅力は、セリフだけでは伝えられないものを歌で伝えられることだと思います。最初に見たミュージカルが『レ・ミゼラブル』だったんですが、歌の素晴らしさに圧倒されて、こんなに見ている人に伝わってくるって、ただ歌がうまいだけじゃないんだなと思いました」。

20代で帝劇出演という夢の実現を目標にしてきたが、11月に帝劇ミュージカル「ダンス・オブ・ヴァンパイア」に出演が決まっている。過去に浦井健治、山崎育三郎が演じたアルフレート役という大役。「今まで培ってきたこと、これから挑戦すること、その両方をお客様に見てほしい。僕が『レ・ミゼラブル』を見た時のように、見てくださった方の1人でも影響を与えられるようになりたい」。ミュージカル界に新たなスター候補生が名乗りを上げた。