今年デビュー10周年の俳優高杉真宙(22)が、仏作家アルベール・カミュ作の舞台「カリギュラ」(11~12月、東京・新国立劇場中劇場)に出演することが29日、分かった。ドラマ、映画、舞台などさまざまなジャンルで活躍する高杉が、現代古典の名作に挑戦する。このほどイメージビジュアルも発表された。

ローマ皇帝カリギュラを描いた同作、すでに菅田将暉(26)の主演などは発表されており、若い詩人シピオンを誰が演じるか注目されていた。暴君に父を殺され、憎みながらも深く慕う難しい役どころだ。高杉は「憎しみだけでなく、いろいろな感情が交差する純粋なシピオンを、まっすぐに舞台上で生きていきたい」と話している。

先月下旬にイメージビジュアルの撮影が行われた。カメラマンに「憎悪を持って」などと役を踏まえて指示されると、高杉は即座に反応してみせたという。

舞台「エブリ リトル シング'09」でのデビューから10年。節目の年を迎えた高杉は「うれしいことに10年もこの仕事をさせていただいて、今後も続けていければと思っているんですが、10年前はそんなこと少しも思っていなかったので不思議な感覚です。今後も自分の意思でまっすぐ努力して進めていけたら」とコメントした。今年は放送、公開予定も含めるとドラマ4作品、映画4作品。さらに舞台出演も決まり、一層の飛躍が期待される。

演劇界を代表する演出家の1人、栗山民也氏の演出についても高杉は「どの作品も挑戦し、食いついていかねばと思っているのですが、初めて栗山さんに演出していただくということがうれしく緊張もしています」。

◆カリギュラ 理想的な君主だったローマ帝国皇帝カリギュラ(菅田)は、最愛の妹の死を境に、非道な行為を繰り広げるようになる。貴族たちはカリギュラ殺害を計画、父を殺された詩人シピオン(高杉)もカリギュラを殺したいほど憎んでいた-。ほかに谷田歩、橋本淳、秋山菜津子らが出演。「異邦人」「シーシュポスの神話」とともに、カミュの不条理3部作に位置づけられる。45年にパリで初演され、日本も含め何度も上演される作品。

◆高杉真宙(たかすぎ・まひろ)1996年(平8)7月4日、福岡県生まれ。スカウトで芸能界入りし、09年俳優デビュー。舞台は15年「TRUMP」、昨年「新感線☆RS『メタルマクベス』disc3」など。ドラマ、映画「賭ケグルイ」シリーズでは弱気な高校生役。ほかにドラマ「モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐-」など、映画「散歩する侵略者」「虹色デイズ」など。特技は乗馬。170センチ、血液型A。