製作費300万円のインディーズ映画ながら、興行収入31億円超と18年の日本映画界を席巻した映画「カメラを止めるな!」の、上田慎一郎監督(35)の劇場長編映画第2弾「スペシャルアクターズ」(10月18日)ワールドプレミア試写会が25日、東京・丸の内ピカデリーで行われた。上田監督は「自分たちの映画が皆さんのものになる…本当にドキドキ、ソワソワで昨日は寝られなかった」と試写会に臨んだ感想を語った。

「スペシャルアクターズ」は、上田監督が1500人以上の応募者からオーディションで選んだ15人のキャストとともに企画会議、ワークショップを行い、キャストをあて書きする形で脚本を執筆した完全オリジナルストーリー。上田監督は「『カメ止め』は、あらすじがあったの。今回は物語がない…この人のことを撮りたいなという15人を撮った」と語った。

「スペアク」は、極限まで緊張すると気絶してしまう売れない役者の和人が、何でも屋が実態の俳優事務所「スペシャル・アクターズ」に誘われ、「カルト集団から旅館を守って欲しい」との依頼を受け、旅館の乗っ取りを図るカルト集団の壊滅作戦の中心メンバーになる物語だ。上田監督は「カメ止め」の大ヒットを受けて、脚本作りから取り掛かった中で重圧があり、「クランクイン2カ月前に、それまでの企画をなしにして、みんなのやりたいことを書いてもらって、そこからインスパイアされて書いた。気絶しそうな日々の中で、この作品に取り組んだことが作品に反映された」と振り返った。

主演の大澤数人(35)は、この10年間で3回目の芝居となった今作の撮影で、印象に残ったことを聞かれ「印象に残っているのは、ほぼ毎日。迷惑をかけないように気絶しそうになりながら頑張った」と笑みを浮かべた。両親には俳優をやっていることは黙っており、両親は今作の予告編を見て、大澤が俳優をやっていたと知ったという。上田監督が「ドキュメントとフィクションが重なった映画を作りたかった」と言うと、大澤は「両親は泣いていました」と感激の面持ちを浮かべた。

この日は河野宏紀(23)富士たくや、北浦愛、上田耀介、清瀬やえこ、仁後亜由美、淡梨、三月達也、櫻井麻七、川口貴弘、南久松真奈、津上理奈、小川未祐、原野拓巳、広瀬圭祐、宮島三郎、山下一世も登壇。河野は「誇りを持って届けられるし、今年1番の映画になるんで」と胸を張った。