竹内涼真(26)が、来年1月期のTBS系人気ドラマ枠「日曜劇場」(日曜午後9時)に初主演することが27日、分かった。

現在は木村拓哉主演の「グランメゾン東京」が放送中で、他にも福山雅治ら大物ぞろいの同枠主演を継承する。日曜劇場に過去4作出演している竹内は「みんなが見ているドラマ。やりがいがあります」と、大舞台を先頭で引っ張る決意を示した。

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15年と18年の「下町ロケット」17年「陸王」18年「ブラックペアン」に出演してきた竹内が、ついに日曜劇場の中心に立つ。来年1月期の同枠は「テセウスの船」で、ミステリー作品。「気負う部分がないと言えばウソになるけど、今持っている自分の実力で楽しんで、いい作品を作りたい。いい景色を見てきた分、新しい形で超えていきたい」と意欲があふれた。連ドラ主演は14~15年テレビ朝日系の出世作「仮面ライダードライブ」以来となる。

ドラマの影響力、主演の責任を実感した原点が日曜劇場だ。「ライダーが終わってすぐ下町ロケットに出ると、『見た』って言われる。阿部(寛)さんは独特の柔らかい感じで、みんな『社長』って慕っていた。役所(広司)さんも二宮(和也)君もそう。いい現場はみんながコミュニケーションを取っていた」。自身も「違和感あるな、という時に言える環境にしたい」と決意を込めた。

同枠は現在「グランメゾン東京」が放送中。後続の4月期は堺雅人主演「半沢直樹」続編が決まっている。大物に挟まれるが「好きなんです、木村拓哉さん。自分が終わったら堺さんのドラマも、すごく楽しみにしています」と、いちファンとして楽しんでいる。

ドラマは主人公が、殺人犯として逮捕された父が起こした事件直前の31年前にタイムスリップする場面から展開する。竹内にとっても、父親との関係を再確認する機会になったという。「小さいときは父親もイケイケで飲みに行って帰ってこなかった。今はすごく仲良くて、同志みたい」。26歳となった今年、父親に似ていると感じる瞬間が増えたという。「好きなお酒も似ているし、海水魚飼うのにハマっているんですけど、同じタイミングで父親もやっている。言葉の言い回しとか、説明している間合いとか、好きな物とか、自然に似てきちゃっている。恥ずかしさと、面白いなという思い」と笑いながら、「父親について少しずつ分かってきたこのタイミングで、このドラマというのがすごく良かったと思う」と実感を込めた。

ドラマにちなみ、タイムスリップをしたい行き先を聞かれると、迷わず未来を選択した。「自分の生きていない年に行きたい。携帯がどうなっているか、とか気になる。250年後くらいに」。近未来については「10年後は、だいたい自分の中でプランが決まっている。こうなりたいというのはある」。どのような理想像かは「内緒です」と煙幕を張ったが、「いろんな国の人と仕事したいと思ってます」と、国際派俳優への夢もにじませた。

今作で20年の東京五輪イヤーの幕開けとなる。ドラマで金メダルを取る自信は「あります!」と即答した。「これから主役もどんどんやっていきたいし、竹内君がやる作品って全部面白い、と思ってもらいたい」。竹内らしく、さわやかに、力強く宣言した。

◆テセウスの船 原作は東元俊哉氏が週刊誌「モーニング」で連載したミステリー漫画。主人公・田村心(竹内)は、平成元年に起きた連続毒殺事件の犯人とされる父親を持つ。父親に会ったことのない心は、母から「お父さんを信じて」と言われ、拘置所で会うことを決意。だが殺人現場に向かう途中、事件直前にタイムスリップしてしまう。タイトルは「全ての部品が新品に交換された船は同じ船と言えるのか」という矛盾を提起するギリシャ神話のパラドックス(逆説)。