大竹しのぶ(62)が10日、都内で、高倉健さん主演の映画「鉄道員(ぽっぽや)」(降旗康男監督)特別上映会舞台あいさつに出席した。この日は高倉さん5回目の命日だった。

同作で高倉さん演じる佐藤乙松の妻、静枝を演じた。妻を演じることから、共演シーン以外でも高倉さんを見続けたことを明かした。そんな折り、高倉さんが1人、セットの外で空を見つめていた。「役作りに入っているのかと思って声をかけるのをためらったけど『何をしてるんですか』と声をかけたら、イヤホンを片方外して私の耳に入れてくれて、一緒に音楽を聞いたんです。『かっこいい~』ってなりました」と思い出を披露した。

広末涼子、小林稔侍、原作者で作家の浅田次郎氏も登壇し、同作でカメラマンを務めた木村大作監督が司会という豪華メンバーだった。

広末は「健さんが泣かれるシーンがあって、そのシーンの撮影の時、撮影部も音声部も、みなさん一緒に泣いていて。現場で声を殺して一緒に泣いてるんです。この20年でそんな現場にあったことがないんです。みなさん、健さんのことが大好きなんだなと感じました」と話した。

木村監督は「高倉健さんが役になりきることはない。要するに高倉健なんです。『鉄道員』では号泣していますが、あそこまで号泣したのは、映画では『鉄道員』しかない。生涯で号泣したのは、『鉄道員』しかないと思いますよ」と紹介。広末からの「大作さんも泣いていましたよね」の指摘に「泣くんですよ、僕」と笑った。