先月25日に米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警察官によって殺害された事件への抗議デモは1日も全米各地で行われ、ロサンゼルスでは過激化する抗議行為に備えて3日連続となる外出禁止令が発令された。

この日もハリウッドや北部バンナイス地区で数千人が集まって平和的な抗議デモが行われたが、過激化した人々による略奪も再び起きている。ロサンゼルスでは30日にはビバリーヒルズやウエストハリウッドで放火や略奪が起こり、ショッピングモールや高級ショッピング街でも多大な被害が出ており、翌31日もサンタモニカの観光地が襲撃された。治安維持のために31日からは州兵が派遣され、1日も市内各地でデモ隊とのにらみ合いが続いている。一方で、平和的な抗議を訴える人々が、略奪者の襲撃から商店を守ろうと対立する場面も見られるほか、銀行の窓ガラスが割られたリ、ライフル銃で武装した店主が店の前で自衛するなど治安が悪化している。

暴徒と化した人々による暴動は日本人街でも起き、ダウンタウンのリトルトーキョーでも被害が出ていることが明らかになった。地元メディアによると、30日深夜にスニーカー店の窓ガラスが割られて略奪が起きた他、日本食レストランなどが立ち並ぶモールの中にある薬局も襲撃されたという。また、31日にサンタモニカで起きた暴動ではすしと日本酒を提供する居酒屋も放火され、店内が焼け落ちる被害も出ている。

(ロサンゼルス=千歳香奈子)