東山紀之(53)主演のテレビ朝日系時代劇シリーズ「必殺仕事人 2020」(28日午後9時)から放送されることが2日、分かった。

東山は「目標」と語る市村正親(71)との初共演に奮起、迫力満点の殺陣を披露する。

東山演じるうだつの上がらない同心、渡辺小五郎が“仕事人”として悪を成敗する人気シリーズの最新作。今作は息子を名乗り親から金をだまし取る「親だまし」がテーマで、市村は「やくざ者撲滅」のため小五郎が勤める奉行所に赴任する奉行、湯川伊周として登場する。温厚で柔和な人格者の顔を見せながら、後半で悪役に転じる二面性のあるキャラクターを演じる。

07年からシリーズが開始し、スペシャルドラマとしては11作目となる。東山は「先輩方も育ってこられた時代劇の歴史の中にちょっとだけでも入れた気がするので、この作品に出られることがすごくうれしいです」と気を引き締める。舞台人として「目標にしていた」と語る市村との初共演を喜び、「今後、歌って踊る企画でもご一緒できたら」と話す。

市村も東山との初共演を心待ちにしていたという。劇中では斬られ役となったが「時代劇の殺陣ってやっぱりかっこいいですよ。斬られるのもかっこいい!」と楽しげ。殺陣では緊張から東山の目を見られなかったことも明かし、「刀を交えながらも『かっこいいな』と思っていました」と撮影を振り返った。

経師屋の涼次役のTOKIO松岡昌宏(43)、リュウ役のHey!Say!JUMP知念侑李(26)、花御殿のお菊役の和久井映見(49)らおなじみの仲間も登場。杉本哲太(54)の他、杉野遥亮(24)森川葵(24)ら若手俳優もゲスト出演する。

○…撮影は2月に行われた。「仕事人」シリーズで長く主人公中村主水を演じ、10年2月に亡くなった藤田まことさん没後10年の節目と重なった。藤田さんは生前、09年の放送まで同作に出演した。東山は、仕事人たちのアジトに藤田さんの写真と主水の好物であるメザシを飾って手を合わせたとし「『相変わらずみんな集まってワイワイと藤田さんの話をしながら頑張っています』と報告しました」。そして「今でも藤田さんのような存在は絶対に必要だと思っています」と“仕事人魂”の継承を誓った。

◆「必殺仕事人」シリーズ 藤田まことさんが主人公中村主水を演じた人気連続時代劇「必殺仕事人」(79年開始)の流れをくむ作品として、東山主演で07年にスタート。1、2年に1作のペースでスペシャルドラマとして制作され、これまで10作が放送。09年には連続ドラマ化もされた。18年の放送では、藤田さんの過去の出演シーンに東山の新撮パートを組み合わせた“共演”が話題となった。19年の放送では西田敏行(72)が悪の商人として登場し、12・1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。