人気俳優の三浦春馬さん(30)が18日午後、都内の自宅マンションで首をつった状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。捜査関係者への取材で分かった。現場の状況から自殺とみられ、警視庁は死亡した経緯を調べている。子役でデビューし、現在はNHK総合「世界はほしいモノにあふれてる」(木曜午後10時30分)でレギュラーMCを務めるなど幅広く活躍中。マルチに才能を発揮する人気俳優の突然の死に、芸能界には大きな悲しみが広がった。

  ◇   ◇   ◇  

突然の訃報だった。

この日予定されていた仕事の現場に三浦さんが現れなかったことから、心配したマネジャーが都内の自宅に向かうと、自宅で首をつった状態の三浦さんを発見。午後0時36分、東京消防庁が都内の病院に救急搬送したが、その後、病院で死亡が確認された。警視庁では、事件性はなく自殺とみて調べをすすめている。また、室内には遺書とみられるものがあったという。

所属事務所はこの日夕、ホームページで「弊社所属の三浦春馬が、2020年7月18日に亡くなりました。ファンの皆様、関係者の皆様におかれましては、ご心配、ご迷惑をお掛けしておりますが、詳細に関しましては、現在確認中であり、改めてご報告させていただきますので、何とぞご了承の程よろしくお願い申し上げます」と発表した。

三浦さんのSNS更新は14日が最後。この日に情報解禁された9月スタートのTBS系ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(カネ恋)についてインスタグラムで、「今回自分が演じさせていただくキャラクターはおもちゃ会社のドラ息子役で、破壊的浪費癖があるもののポジティブで真っすぐな猿渡慶太を演じます」と詳細に説明。「日に日に暑くなって参りましたが、キャスト、スタッフ一同、テレビの前の皆様に9月から、より笑って頂きたく撮影に励んでおります!」などと明るくつづっていただけにファンの悲しみは深く、同投稿には多くの追悼コメントが寄せられている。

また、今年1月には、有名人に対するネット上のバッシングが激烈を極める現状に「立ち直る言葉を国民全員で紡ぎ出せないのか…」との思いをツイッターにつづった。まじめで熱い人柄をストレートに見せていたが、この投稿はネット上で賛否両論を生んでいた。

順風満帆に見える芸能活動だった。ドラマでは「カネ恋」と8月15日放送のNHK総合「太陽の子」、映画では23日公開の「コンフィデンスマンJP-プリンセス編-」、21年には映画「ブレイブ群青戦記」の出演が決定。また歌手としても8月26日にセカンドシングル「Night Driver」の発売を控えていた。24日にはテレビ朝日系「ミュージックステーション」3時間半スペシャルへの出演も予定され、新曲発売にともなうショーケースライブも開催予定だった。

なぜ、死を選ばなければならなかったのか。あまりに突然の死に、残されたファンは驚きを隠せないでいる。

◆三浦春馬(みうら・はるま)1990年(平2)4月5日、茨城県生まれ。97年NHK連続テレビ小説「あぐり」で子役としてデビュー。06年に「キャッチ ア ウェーブ」で映画初主演。同年、日本テレビ系ドラマ「14才の母」で注目を集める。連続ドラマは日本テレビ系「ごくせん」、TBS系「ブラッディ・マンデイ」フジテレビ系「ラスト【ハート】シンデレラ」「僕のいた時間」など、映画は「恋空」「進撃の巨人」前後編など多数。16年に「キンキーブーツ」など舞台でも活躍。07年には日本アカデミー賞の新人俳優賞、14年には同助演男優賞を受賞。趣味はサッカー、料理など。178センチ。血液型AB。