食道がんで闘病中だった音楽プロデューサーでキーボード奏者の小林信吾さんが、死去したことがわかった。62歳だった。

小林さんの事務所が9日、公式サイトで「弊社 小林信吾は 2020年10月4日夜に自宅にて62歳で逝去いたしました」と報告。「2017年の食道がんの手術から、一度は復帰も出来て頑張っておりましたが 転移がみつかり、療養していました。まだこれからの年齢でしたので、残念でなりません。ここに生前のご厚情に深く感謝するとともに謹んでお知らせ申し上げます」とした。葬儀については、本人の希望により家族葬で執り行った。また、お別れ会についても、故人の意向で執り行わない予定だとし、「誠に勝手ではございますが、ご香典 供花等もご辞退申し上げます。何卒、故人の希望をご理解いただきますようお願い申し上げます」とした。

小林さんの訃報を受け、ネット上では音楽関係者らから悲しみの声があがっている。プロデュースや楽曲提供を受けた平原綾香はツイッターで「音楽の天才であり、いつもクールで、私にとってもあこがれの存在でした。信吾さんが作曲し、そこに歌詞を書かせてもらった曲もたくさんあります。今はその曲を抱きしめて、これからも大事に歌っていきたいと思います。信吾さん、もう一度お会いしたかったです。天国に行っても、その素晴らしい音楽を奏でてください」と悼んだ。

中西圭三は「『タンジェリンアイズ』をはじめ1stアルバムをプリプロからお付き合い頂き、『君のいる星』や『LOVE SONG』『永遠の名前』などなど数々の楽曲をアレンジして頂いた小林信吾さんが10月4日62歳でご逝去されたそうです。心からご冥福をお祈り致します。信吾さん、本当にありがとうございました」とツイート。尾崎亜美は「小林信吾さんの訃報にショックを受けています。才能あるミュージシャンであり、プロデューサーでした。以前わたしのコンサートサポートをしてくれたり提供曲のアレンジをしてくれていました。闘病中であることは知っていましたが回復を信じていました。ご冥福をお祈り申し上げます。どうか安らかに」と追悼した。

小林さんはKANの「愛は勝つ」や、浜崎あゆみ「LOVE Destiny/LOVE since1999」など数々のヒット曲の編曲を手掛けたことでも知られる。また、キーボーディストとして中島みゆきや角松敏生ら数多くのミュージシャンのバックを務めた。