文化芸術への支援を求めるキャンペーン「#WeNeedCulture」の関係者が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて文化庁が募集した「文化芸術活動の継続支援事業」の改善を求め14日、同庁に要望書を提出した。「#WeNeedCulture」を構成する、映画関係者中心の「#SAVE the CINEMA」の馬奈木厳太郎弁護士は会見で、文化庁の反応について「本当に認識されていない。あるいは解決済みかのように勘違いされている」と感想を語った。

「#WeNeedCulture」「文化芸術活動の継続支援事業」について

(1)自己資金が必要な活動を支援する「補助金」であること

(2)申請システムの煩雑さ、会場費や人件費は認められない、など申請が難しく、支援が届かない

など、制度と現場の実態が乖離(かいり)しているため、申請状況が見込みを大きく下回っていると指摘。文化庁は、補正予算で560億円の補助金を確保しているが、給付型でなく助成型にした制度設計が、かえって申請をしにくくしており、7~9月に募集したにもかかわらず、採択比率は4割にとどまっているとした。

その点を踏まえ、馬奈木弁護士は「予算を使い切れないかも知れない中、理由として、使い勝手が非常に良くないからということを文化庁の方達は本当に認識されていない。あるいは、もう解決済みかのように勘違いされている」と指摘した。文化庁の関係者からは「現場で、まだそんなことがあるんですか?」との声もあったという。

同弁護士は「世の中的には『Go To トラベル』だったり人の出が多くなっている。そんな中で、文化芸術の人たちの状況は元に戻りましたなどとは決して言えない」と指摘。その上で「文化庁の方が実態を把握していない。切迫さもまだまだ伝わっていない…率直にそういった感想を持たざるを得ない」と語った。