10月29日に自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕され、同30日に釈放された俳優伊藤健太郎(23)が主演した映画「十二単衣を着た悪魔」配給のキノフィルムズは2日、公開翌日の7日に東京・新宿ピカデリーで開催を予定していた舞台あいさつを行うと発表した。

「舞台あいさつに登壇予定でした伊藤健太郎さんにつきましては、先日の事件をうけて正式な登壇中止を決定させていただきました事をご報告いたします」

舞台あいさつには三吉彩花(24)、村井良大(32)、笹野高史(72)と監督の黒木瞳(60)が登壇する。

キノフィルムズは10月31日に、当初の予定通り11月6日に公開することを発表していた。社長を務める木下グループの木下直哉CEOは文書を発表し「逮捕されてからの数日間、事実確認をしながら協議を重ねて参りましたが、釈放されたことを受け、予定通り全国の劇場にて公開させて頂く運びとなりました」と説明した。

その上で「決定に対しましてはさまざまなご意見があることと存じますが、釈放後に本作関係者への自筆の謝罪書面を弊方が受け取り」と、伊藤本人が釈放後、直筆の謝罪文を送ったことを明らかにした。

また「『個人の罪と作品は違う』という弊社の見解のもと、本編の再編集は行わずに、そのままの内容で上映をさせて頂きます」と、伊藤の出演シーンをカットしたり、再編集しないで公開することも、併せて発表している。

「十二単衣を着た悪魔」は、黒木瞳(60)が監督を務めた長編映画2作目で、自身が番組を持つニッポン放送に貼られた伊藤のポスターを見て、一目ぼれして主演に起用した意欲作だった。それが9月に、出演した伊勢谷友介被告(44)が大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕、起訴された。さらに公開を8日後に控えた10月29日に今度は主演の伊藤が逮捕される前代未聞の事態に陥っていた。

伊藤は劇中で、ひょんなことから「源氏物語」の世界にトリップした、就職試験59連敗中のフリーター伊藤雷、三吉は弘徽殿女御、村井は木村、笹野は良喬を演じた。