女優北川景子(34)が、映画「キネマの神様」(来年公開)で、山田洋次監督(89)作品に初参加することが18日、分かった。映画黄金時代に活躍したスター女優を演じ、ビジュアルも解禁された。

北川は「山田監督は小さいころから巨匠として存在されていて、まさか監督の作品に参加させていただけるなんて最初は驚きでした。監督が現場で生み出す演出には説得力があり、撮影の空気が一気に変わっていくさまは、非常に印象的でした」とコメントした。

同作は、沢田研二と菅田将暉が、現代と過去同じ人物を2人1役で演じ、映画黄金期の撮影所や半世紀後の仲間たちを描いた。北川は過去パートに出演。銀幕スター桂園子を演じるため、50年代~60年代の撮影所を経験している山田監督から当時の雰囲気を聞いて役作りしたという。

「銀幕女優ならではの立ち居振る舞いや雰囲気をおうかがいしました。当時のスタッフと女優は一日中撮影所で時間を過ごし、家族のように親しい関係だったように、菅田さん演じるゴウちゃんとも『かわいい弟をからかうみたいな感じで』とご指導いただきました」と振り返った。

園子のキャラクターは、小津安二郎監督作品に登場する女優や、山田監督がかつて川島雄三監督、野村芳太郎監督の現場に助監督として参加した経験を参考に作られた。たぐいまれな美貌と誰からも愛されるスター女優を演じられるとして、北川にオファーされた。瞳に一気にクローズアップする場面で、山田監督は「このアップで魅力的にいられる女優は彼女しかいない」と話したという。

解禁ビジュアルは、北川が言う「華やかですが人懐こく親しみやすいキャラクター」そのもの。スカーフを真知子巻きにした姿や、着物姿も見せている。

新型コロナの影響で撮影を中断する状況もあったが、12月に撮了する。

◆キネマの神様 ギャンブルの借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻や娘(宮本信子、寺島しのぶ)に愛想を尽かされている。行きつけの名画座の館主テラシン(小林稔侍)とはかつて撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として、映写技師テラシン(野田洋次郎)や女優園子(北川景子)、食堂の娘淑子(永野芽郁)に囲まれ夢を追っていた。初監督作品「キネマの神様」の撮影初日に転落事故で大けがを負ってしまうが、半世紀後、脚本が出てきたことで夢が動き始める。松竹映画100周年記念作品。