14日に新宿・紀伊国屋ホールで行われた、舞台「熱海殺人事件 ラストレジェンド ~旋律のダブルスタンバイ~」(31日まで)公開ゲネプロを鑑賞した。

同舞台には、3度目の出演となるNON STYLE石田明(40)が出演していた。石田は3度目のオファーについて「本当は、断ろうと思っていたんです」と明かした。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、さまざまな分野で影響が出ている中、石田は「人同士の関わりが薄れてきている」と指摘。その上で、オファーを受けた理由について「人との関わり方を深くする“心の濃厚接触”というか、そういうものを見せられたら、何かプラスになるのではないか、と思い挑戦することにした」と力強く話した。続けて「今だからこそ届けられるものを楽しんで頂きたい」と前を向いていた。

「ソーシャルディスタンス」という言葉をよく耳にする。人との物理的距離を常に取らなければいけないこの時代。舞台を鑑賞して、石田が話していた“心の濃厚接触”とはどんなことか、また人とのつながりについて改めて考えるきっかけとなった。

そして、見ている人も、演じる側も、この状況だからこそ届くものや届けられることがあると感じた。舞台でしか味わうことが出来ない演者の気迫や、演技を演技だと思わせないような演出、リアルさ。

本作を鑑賞し、圧倒された。このご時世だからこそ、舞台がもたらす力は大きい。鑑賞に足が遠のいてしまった人も、もしかしたらいるかもしれないが、感染症対策をしっかりした上で、舞台の魅力を、パワーを、もう一度感じて欲しいと思った。