NHK大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜午後8時)の最終回「本能寺の変」が7日に放送され、関東地区の世帯視聴率が18・4%をマークした。その前の回が13・9%だったことから、4・5ポイント上がったことになる。初回の19・1%を超えることはなかったが、2番目の高視聴率となった。

最終回の世帯視聴率が18%を超えたのは、11年「江~姫たちの戦国」の19・1%以来となり、実に9年ぶりのことになる。SNS上では、本能寺の変がどう描かれるのか、予想合戦が繰り広げられていた。従来の大河ファンに加えて、多くの視聴者を引きつけたとみられ、最終回に本能寺の変をもってきたのは、NHK側の戦略の勝利だと思う。

それができたのは、本能寺の変が、今でも多くの謎に包まれているからだろう。織田信長が明智光秀に討たれ、その光秀を山崎の戦いで羽柴秀吉が打ち破ったのは史実だと思う。ただ、信長の遺体がどうなったのかは今でも残る謎といわれており、それは光秀も同じ。落ち武者狩りの農民に殺害されたとされているが、僧侶となって生き延びたという説もある。

「麒麟がくる」はその謎を利用して、架空の人物であるお駒(門脇麦)にその後の光秀を語らせたのはうまかったと思う。ラストシーンも馬で駆けるのは、あくまでも光秀らしき侍。池端俊策氏の脚本に拍手を送りたい。【竹村章】