NHK大河ドラマ「青天を衝け」のタイトルバック映像を担当した映像作家柿本ケンサク氏が15日、オンライン取材会を行い、世界観について語った。

飛び立った鳥の視点でのCGや、水墨画のようなタッチ、江戸や明治の人々の躍動感をミュージカル調のダンスで描く表現など、さまざまなCG演出が話題になっている。柿本氏は「ジェットコースターのような渋沢栄一の人生の一瞬を切り取り、一筆書きのような人生の流れを表した」とコンセプトを語った。

撮影は、空間全体をデータ化する最先端映像技術「ボリュメトリックキャプチャ」を使って制作された。360度、150台のカメラで被写体をとらえて空間全体をスキャンし、真上や真下など、実際にはできないカメラワークで自由視点を得ることができる。

群舞など、被写体の人数が多いとデータが欠ける弱点があるというが、「水墨画の手法を用いることによって、にじんで空間に溶けていくような余白を作り、弱点を強みに変えた」。ミュージカルのような表現についても「人生を踊るように生きた人間だと思うので。大河でミュージカルという意外性も、渋沢の人生を表すものとしてしっくりきた」と話した。