女優南沙良(さら=18)が、TBS系連続ドラマ「ドラゴン桜」(日曜午後9時)で、早瀬菜緒役を好演している。笑みを浮かべて「ウケるー」が口癖の、テンション高め“イマドキ女子”役がハマり、インスタグラムのフォロワーが倍増するなど注目度は急上昇中だ。すっかり浸透した日曜夜の“サラスマイル”に迫る。

18年の主演映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」で数々の映画賞で新人賞も受賞し、映画出演を重ねてきた南だが、民放連ドラ出演は初めて。演技力と初々しさが同居する、不思議な存在感を見せている。南は日刊スポーツの取材に対し、初連ドラについて「撮るのがすごい早い。あっという間に時間が過ぎる感じがします。人見知りなので、最初は慣れなかったんですけど、慣れてきて、今は居心地がいいなって思います」と笑った。

今回の出演決定時は、心の中でガッツポーズが出た。「うれしかったです。やったことのない役だったので、できるかなって不安ではあったんですけど」。

これまでは「自分に近い、抱えている、明るすぎない役が多かった」という南。正反対のキャラを演じることについて当初は「どうテンション上げたらいいかとかわからなくて。普通の女子高生っていうのが…どこまでが普通なんだろう、どこまでやっていいんだろうっていうのが分からなかった。なかなか、テンションが上がらなくて。朝だったりすると、撮影が朝だったりすると顔が死んでいて(笑い)」と悩みも。

趣味のゲームをクリアしたときや、好きなイベント、ライブに行った際のテンションのアゲ方を思い出している。「今はモンハン(モンスターハンターシリーズ)」とハマっているゲームをあげ、「それでも(テンションが)足りないので。めちゃくちゃ頑張っています」と笑った。

インスタグラムのフォロワーは放送前の5万人から、現在は12万人に迫る勢いだ。「コメントしてくれる方は増えました」と、人気ドラマの反響を実感。ファッション誌「nicola」専属モデルらしい、かわいらしいトレーナーと制服の着こなしも注目されている。自身が今春卒業した高校は制服がなかったという。「着るとすごいそわそわしちゃいます。イマドキの子だからスカートも短くて。コスプレしているみたいで楽しいです」。一方、普段のファッションは自然体。「着られればいい。落ち着いた色が多いかも知れないです」。

05年に放送された初代「ドラゴン桜」の時は3歳。リアルタイムでは見ていない。「中学に上がるタイミング、ちょうど事務所に入ったくらいで見ました。学園ドラマをあまり見たことがなかったので、桜木先生の言葉1つ1つに感動しました」。16年の時を経て、桜木役の阿部寛(56)と共演を果たし「初めてお会いしたときに桜木先生だ! って感動しました」と笑顔を見せた。

阿部とは意外な趣味も一致した。「本当に優しい方。私が仏像が好きなんですけど、阿部さんも仏像をたまに見に行かれるらしくて、その話をしたり。ご飯食べている? 大丈夫? とか、気遣ってくださって。すごい優しいです。『(仏像は)どこに見に行ったりするの』とか。上野の博物館とか」。

好きな仏像の話題になると、言葉が熱を帯びる。「三十三間堂の迦楼羅王像。昔から好きです。小学校の修学旅行の時に、三十三間堂に初めていって、感動しました」。

ドラマでは、阿部寛演じる桜木が「バカとブスこそ東大へ行け」などと、過激ながら核心をついた言葉の数々で生徒を東大合格へと導く。その教えは菜緒だけでなく、南本人にも刺さっているようだ。「すごい納得しました。なるほどって」。そんな“学園生活”で奮闘している南に、リアルな得意科目を聞くと、少し控えめに照れ笑いしながら、国語をあげた。「本読むのが好きなので。小学校の頃の国語では、(レオ・レオニ作)スイミーとか好きでした」。【佐藤成】